
ベイルート:21日、レバノン南部の国境で緊張が高まり、ヒズボラとイスラエル軍の双方が家屋や軍事目標への攻撃を行った。
イスラエル軍はレバノン国境の村々を砲撃し、また、ヤルーン、オダイセ、アイタ・アル・シャーブ、マルワヒンの家屋や産業施設を標的にした。
ヒズボラのアル・マナル・チャンネルによると、メトゥラ入植地のイスラエル兵が避難している家屋にミサイルが撃ち込まれた。
20日の夜、アマル運動のメンバーであるクファルシル村出身の36歳のモハメド・アリ・ムーサ・コマイハ氏が、マルジャユーンのカンタラにある家屋へのイスラエル軍の襲撃で死亡した。コマイハ氏は、ラマダンの開始以来、最初のレバノン人の犠牲者となった。この紛争では、アマル運動のメンバー少なくとも12人が死亡している。
イスラエル軍の砲撃はダヒラ村にも及んだ。イスラエル軍の報道官は、村にあるヒズボラ軍の建物を狙ったものだと述べた。
しかし、救急サービスは、攻撃後に呼吸困難を訴えた市民数名をティレの病院に搬送した。レポーターによると、イスラエル軍のミサイル攻撃により、「爆撃中および爆撃後の空気の汚染により、皮膚発疹、息切れ、窒息がターゲット周辺地域で発生している 」とのことだ。
一方、イスラエル軍はイスラエル人ジャーナリストを対象に、国境の反対側にあるメトゥラとキリヤット・シュモナの入植地へのツアーを企画した。破損した建物や焼け焦げた車の写真が木曜日にメディア上広まったが、レバノンのメディア関係者はイスラエル軍の砲撃のためレバノン国境地域に行くことができなかった。
2023年10月、ロイターのフォトジャーナリスト、イッサム・アブダラ氏が殺害されたほか、6人のジャーナリストが国境地帯での出来事を取材中に重傷を負った。
また木曜日、イスラエル軍は “現状の評価に基づき、国境エリアに対する作戦対応の一環として、レバノン・シリア国境に新たな軍事旅団を配備する “と発表した。
イスラエルのメディアによると、その旅団は第210師団の一部で、司令官にはリロン・アップルマン大佐が任命された。
この旅団は、困難な地形や山岳地帯での戦闘を専門としており、レバノン、シリアとイスラエルとの係争地域であるヘルモン山やシェバア農場地域の保護を任務とする。
第210師団の指揮官であるシオン・ラッツォン氏は声明で: “旅団の設立により、質の高い作戦対応が可能となり、レバノン戦線とシリア戦線の両方で、この地域の地域の地形に対応した様々なシナリオにおいて、防御と攻撃の両方の対策の準備が可能となる”と発言した。
シリアで活動するロシア軍は、西部クネイトラ地域の西部平原に新たな監視基地を設置した。
シリア人権監視団は、「ヒズボラ関連グループとイスラエルとの間の地域の緊張を緩和させるという枠組みの中で」これは行われた、と述べている。
同監視団によれば、占領下のシリア領ゴラン近辺には現在、ロシアの監視基地が11カ所ある。
政治レベルでは、ヒズボラは、中央評議会のメンバーであるシェイク・ナビル・カウク氏の言葉を借りれば、交渉の場ではなく、対立の場を注意深く監視していると繰り返している。