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がん患者、ラファに強制送還するイスラエルの動きを恐れる

イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ市のアル・シファ病院のベッドに横たわるパレスチナ人男性。(REUTERSファイル写真)
イスラエルとハマスの紛争が続く中、ガザ市のアル・シファ病院のベッドに横たわるパレスチナ人男性。(REUTERSファイル写真)
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23 Mar 2024 01:03:43 GMT9
23 Mar 2024 01:03:43 GMT9
  • ガザから来たおよそ20人の患者は、そのほとんどががんと闘っており、この6ヶ月間テルアビブと東エルサレムで治療を受けてきた。
  • 戻りたい。でも、私の家に、私の家に!南部にあるラファではなく。そこに知り合いはいない

エルサレム:イスラエルに併合された東エルサレムにあるオーガスタ・ビクトリア病院近くの小さなホテルで、乳がんの放射線治療を受けたパレスチナ人のリム・アブ・オベイダさんは不安そうに待っている。

彼女は、イスラエルの最高裁判所が、治療が完了した今、戦争で荒廃したガザに送り返すべきかを検討している間、宙ぶらりんの状態で暮らしているパレスチナ人患者グループの一人である。

イスラエルとハマスの戦争が勃発する前の何十人ものガザ住民と同様、彼女もガザ地区の病院には必要な設備がなかったため、治療のためにガザ地区を離れる許可を得ていた。

「今週、突然ガザに戻れと言われました。これは私たちを地獄へ、死へと追いやるものです!」。とアブ・オベイダはいう。

ガザ南部のハーン・ユーニスにある彼女の家は、イスラエルによるハマスへの攻撃で破壊されている。

ガザから来た約20人の患者のほとんどはがんと闘っており、この半年間テルアビブと東エルサレムで治療を受けてきた。

COGATはイスラエル国防省の機関であり、占領下のパレスチナ地域の民生問題を管轄している。しかし、NGO「人権のための医師団」の申し立てに応じたイスラエル最高裁判所は、土壇場でCOGATの命令を一時停止した。

時系列は不明だが、裁判所はこの件について判決を下す見込みだ。政府は4月21日までに弁論を行う。

隣の部屋では、アブ・オベイダさんとともに、マナール・アブ・シャアバンさんが忙しそうに食料をバッグに詰め込んでいた。
「米、砂糖、なにもかも奪われてないのですから、なにもかもです」

アブ・シャアバンさんはアブ・オベイダさんと同じ乳がん患者だが、帰還に抵抗しているわけではない。しかし、包囲された北部のガザ・シティにある自宅には、治安情勢からたどり着けないことは分かっている。

「私は戻りたいです。でも、私の家にです、私の家に!私の家に帰りたいのです! 南部のラファには帰りたくない」

北部の大部分はイスラエル軍の砲撃で平らになっており、国連が支援する評価では、援助が大幅に届かない限り、この地域は5月までに飢饉に直面するという。

一方、ガザ南部では、150万人もの避難民がラファに押し込められ、イスラエルによる全面的な地上攻撃の脅威にさらされている。

オーガスタ・ビクトリア病院のファディ・ミジエド院長は、ガザに戻される患者たちの運命について尋ねられると、数秒間立ち止まった。

「わかりません。彼らは紛争地帯に戻り、危険にさらされ、破滅的な状況で暮らすことになるでしょう。ガザの状況は筆舌に尽くしがたく、どんながん患者にも必要な医療サービスが保証されていません」

「私たちは、それが正しいことだとは思わないと言っていますが、結局のところ、それは私たちが決めることはできないのです」と彼は付け加えた。

AFP

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