
ガザ:イスラエルによる空爆と地上戦が、パレスチナに壊滅的な打撃を与えてから半年が経過した月曜、イスラム教のイード・アル・フィトルを前に、ガザの避難キャンプのテントの間をよろめきながら歩く少年が、段ボール箱に入った支援物資を腕に抱えていた。
ハマスによる、10月7日の攻撃に対する報復としてイスラエルが行った軍事攻撃により、ガザは飢饉の瀬戸際まで追い込まれている、と援助機関は述べている。
ガザに住むパレスチナ人によれば、この小さく過密した領土の大半の住民が家を追われ、過酷な状況を緩和するには、追加物資はまだ十分ではないという。
ガザでは水曜、月の観測次第でイード・アル・フィトルが行われる予定だが、今年のパレスチナ人を元気づけるものはほとんどない。
段ボール箱をもってよろめく少年は、デイル・アル・バラの中心街にある、食料配給センターから支援物資を受け取った。そこでは、缶詰の入った箱と引き換えに、身分証明書を提示するために長蛇の列ができていた。
「食料が足りません。この2カ月間、援助物資を何も受け取っていません。昨日は、1箱届きましたが、子供たちと私の分にはもちろん足りないですし、他に18人も一緒なんです。誰かが毎日1箱ずつもらっても十分ではないです」と避難キャンプのファイズ・アブデルハディさんは語った。
大規模な破壊により、清潔な水がほとんどなく、病気が蔓延し、公衆衛生の危機を引き起こしているが、石けんや洗剤といった、基本的な衛生用品も不足しているという。
ガザ北部の、ベイトハヌーンにある自宅から避難してきた、ウンム・モハメド・ハマドさんは、同キャンプの避難所で2カ月近く暮らしてきたという。「食料の配給はなかったし、援助もなかったです。今日になってようやく支援物資の箱が配られ始めました」と彼女は語った。
一部の病院では、先月から栄養失調や飢餓で死亡する子どもたちが報告されており、医薬品が不足しているため、被害はさらに増えるだろうと警告している。
ガザ北部のカマル・アドワン病院では、メディア責任者のウィッサム・アル・セクニ氏が、日曜日に到着した荷物は患者のニーズを満たすには不十分であり、特に戦地でよく見られる負傷を治療するための、抗生物質が不足していると述べた。しかし、栄養価の高い食料が不足していることが最大の問題であると語った。
「(入院している)子どもたちのほとんどは栄養失調で、特に未熟児は母親の栄養失調が原因です」と同氏は続けた。
新生児病棟の、生後4ヵ月の乳児、アッセム・アル・ナジャルちゃんは、生後体重が増えず、ガザでは現在不可能な、心臓の穴の手術が必要だ、と母親は語った。
イスラエルによるガザ戦争は、ハマスが国境を越えて攻撃し、イスラエルの集計によれば、およそ1,200人を殺害し、さらに253人を人質として拘束したたことに端を発した。
ハマスが支配するガザの保健当局によれば、戦争によって33,000人以上のパレスチナ人が死亡したという。先週、国際援助機関の車両が空爆の標的になり、7人の援助職員が犠牲になったことで、イスラエルに対する国際社会からの圧力は高まった。
この圧力により、イスラエルはガザ北部へのエレズ検問所の開放と、イスラエル南部のアシュドド港を物資搬入のために、一時的に使用することを承認すると発表した。
ロイター