
ロンドン:米国の上院議員が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を、過去四半世紀で「最も破壊的な公僕」の一人であると酷評したと、ガーディアン紙が木曜に報じた。
元副大統領候補としてヒラリー・クリントン氏と共に立候補し、民主党の外交政策のトップであるティム・ケイン氏は、ネタニヤフ首相がイスラエルを 「劇的に安全でなくなった」原因だとして非難した。
「ネタニヤフ首相は、イスラエルとアメリカとの長年の関係を傷つけている」とケイン氏は述べ、「首相は、在任中にイスラエルの安全性を劇的に低下させたと私は見ています」と続けた。
「ネタニヤフ首相は、この四半世紀で最も成功した政治家の一人であり、最も破壊的な公僕の一人だと思います。というのも、自己の権威を維持する、という観点では、彼は成功しているからです。しかし、その結果イスラエルが安全で安心な国でなくなったという点で、本当の教訓があります」と同氏は語った。
上院外交・軍事委員会のメンバーでもあるケイン氏は「候補者として、また政治家として成功しても、公僕としては失敗に終わるか、あるいは破滅的になることさえある」と語った。
昨年12月、ヴァージニア州選出の上院議員は、バイデン政権がアメリカ議会の監督なしにイスラエルに兵器を移譲するという決定を下したことに疑問を呈した。
党内からバイデン氏への批判が高まる中、ケイン氏は、ガザ紛争の最初の数ヶ月間、バイデン大統領はネタニヤフ首相に「遊ばれていた」と述べた。
しかしケイン氏は、バイデン氏のイスラエルへの無条件支持は 「もうありえない 」と主張した。
バイデン大統領は現在、ネタニヤフ首相に対する影響力の限界にも気づいた、とケイン氏はガーディアン紙に語った。「大統領は、ついにネタニヤフ首相を説得することはできないと悟ったと思います」
バイデン大統領は、イスラエルに対する 「真の思いやり 」で、ネタニヤフ首相が「耳を傾けるよう導く 」という信念に基づいて、接してきたことが誤算だった。「大統領は、意見が対立しているのに、ネタニヤフ首相に忠告しようとしていたことを、ものすごく悔しがっていると思います。『言うことを聞いた方がためになります。アメリカのためだけじゃなく、イスラエルのためにもなると言っているのです』というように」とケイン氏は語った。