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パンデミックはサウジアラビアに「手段を選べない」瞬間をもたらす

この病気に関する未知数はまだたくさんある。その勢いは温暖な北半球の夏に弱まるのだろうか?あるいは以前のパンデミックが示したように、冬には復活するのだろうか?(SPA)
この病気に関する未知数はまだたくさんある。その勢いは温暖な北半球の夏に弱まるのだろうか?あるいは以前のパンデミックが示したように、冬には復活するのだろうか?(SPA)
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21 Apr 2020 06:04:36 GMT9
フランク・ケーン
21 Apr 2020 06:04:36 GMT9

経済専門家はおそらく彼らのキャリアで初めて、次に何がおこるのかわからずにいる。コロナウイルスのパンデミックという前例のないショックに直面して、大手グローバル金融機関や国際銀行のアナリストたちは頭を抱えている。

より多くの経済圏が開かれるにつれて回復していくだろう―この点については皆合意している―しかし、それはV字型の回復か、あるいはより緩やかなU字になるのか? 真の悲観主義者は、はるか遠くまで水平に伸びるL字を想定している。彼らは回復のタイミングもはっきりわからずにいる。

この病気に関する未知数はまだたくさんある。その勢いは温暖な北半球の夏に弱まるのだろうか? あるいは以前のパンデミックが示したように、冬には復活するのだろうか? 感染すると免疫が得られるのだろうか、それとも繰り返し何度も私たちを襲うのだろうか?

バンク・オブ・アメリカは最近アナリストによる記事を発表したが、記事ではアナリストの間の国内総生産(GDP)の四半期成長率予測が1960年代以来最大の分散を示しているとしている。素人の言葉で言い換えれば、これは世界経済がどこに向かっているのかについて、下向きであるという点を除き誰も手がかりを持っていないということを意味する。

国際通貨基金(IMF)は先週、世界経済の3%縮小を予測したことで、これにお墨付きを与えた。これは12カ月間でほぼ6%の下振れとなり、1930年代の大恐慌以来最大の減少となる。

世界の他の国々と比較して、サウジアラビアは回復と継続的な多様化戦略を促進するための債務を背負う能力が高い

フランク・ケイン

世界の経済活動の崩壊に直面する政策立案者たちには2つの明確な歴史上の前例がある。1930年代のような孤立主義、保護主義、緊縮財政に後退するか、あるいは最近の世界的金融危機のときのように、全面的な財政介入と金融介入の技術を採用することだ。

今日の地政学における厄介な状態を考えると、第一の選択肢は完全に排除することはできないが、少なくともこれまでのところ、基調は1929年よりも2009年のようである。数週間前にリヤドから「バーチャル」で開催されたG20サミットでは、パンデミック対応に係る政府介入(金融と財政)の総額が5兆ドルに達したと指摘された。それ以降、おそらくさらに数兆ドル増えているであろう。

バンク・オブ・アメリカは、政策立案者がどの方向に向くべきか確信を持っていた。「標的を絞った措置は、悲惨な緊縮財政の悪臭を放つ。無差別で潤沢な資金供給だけが、個人および企業の破産の『曲線をなだらかにする』ことができる」と、同行は述べた。

パンデミックによる経済ショックと同時に世界的な石油需要崩壊に直面しているサウジアラビアは、緊縮対緩和の軸上のどこに立っているのだろうか? パンデミックに対する初期の反応では一部の政府部門予算が様々な金額幅で削減されたり、新規プロジェクト資金の減速が起きるなどし、元の緊縮財政に戻る兆候が見られた。

その初期の頃から、サウジはパンデミックの後遺症の現実をより完全に把握するようになり、数十億リヤルのパッケージが民間部門の支援に充てられたり、医療保健セクターに極めて重要な資金投入がなされた。これらの取り組みにより、サウジは他のG20加盟国が約束しているような財政支援のレベルに近づいてきている。

問題は、より悲観的な予測が起こった場合に、サウジがどのような備えを整備できるかということだ。まだ膨大な財政資金が準備されているだろうが、原油価格の低迷が続く限り、これらも減少する。

世界の他の国々と比較して、サウジアラビアは回復と継続的な多様化戦略を促進するための債務を背負う余力がある。世界中のすべての経済圏の債務内容はパンデミックによって完全に塗り替えられるだろうから、サウジだけが孤立するわけではない。

一部の地域経済専門家は、このパンデミックは前例のないレベルの介入を必要とする、一生に一度の出来事であると考えている。中東の野村アセットマネジメントのタレック・ファドラーラー最高経営責任者(CEO)は、「これは『雨の日』であり、手段を選べない瞬間なのです」と述べた。

  • フランク・ケインはドバイに拠点を置く受賞歴のあるビジネスジャーナリスト。

ツイッター: @frankkanedubai

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