

テヘラン:14日未明、数千人のイラン人がイランの街頭で、宿敵イスラエルに対して、前代未聞のドローンとミサイルによる報復を支持するデモを行った。
イスラム革命防衛隊が「誠実な約束」作戦の開始を発表した直後、テヘランのパレスチナ広場で「イスラエルに死を!」「アメリカに死を!」とデモ隊が唱和した。
ヘブライ語で、イスラエル人に 「避難 しろ」と呼びかける、巨大な横断幕が何日も掲げられている広場では「次の報復はもっと激しい」と書かれた壁画が公開された。
14日には、デモ隊がイランとパレスチナの国旗を振りながら、「神の勝利は近い 」と書かれた横断幕を掲げた。
イランの報復は、4月1日にダマスカスにあるイラン大使館で、イスラム革命防衛隊7名(うち2名は司令官)を殺害した空爆に対する報復である。
イランはそれ以来、この空爆に対するイスラエルへの復讐を誓っている。
イランの最高指導者ハメネイ師は、「邪悪な(イスラエルの)政権は罰せられる 」と警告した。
イランのメディアは、イスラエルへの報復は、イエメン、レバノン、イラクという同盟国も巻き込んだ「複雑な」ものだと表現した。
タスニム通信は、「この攻撃はイランだけから来たものではなく、この政権(イスラエル)は4つの方向から罰せられている」と伝えた。
テヘランの英国大使館の前には大勢のデモ隊が集まった。
報復攻撃の支持者たちは、ダマスカスの空爆で死亡した、モハマド・レザ・ザヘディ司令官が埋葬されている、イラン第3の都市イスファハンでもデモを行った。
デモ隊はまた、南部の都市ケルマンにある、2020年にバグダッドで米軍のドローンによる空爆で殺害された、イスラム革命防衛隊の司令官であった、カセム・ソレイマ二氏の墓の近くにも集まった。
イランは、イスラエルとの紛争に関わらないよう、米国に訴えていたが、米国防総省の高官が、イスラエルに向けたドローンを迎撃したことを認めたため、イランの期待は打ち砕かれた。
イランは、ダマスカスの在外公館が標的とされた為、「自衛」のために報復したと主張している。さらに、これにより地域情勢の悪化は望んでおらず「この問題は終結したとみなす」と発表した。
この報復は、ハマスによる10月7日のイスラエル攻撃で始まったガザ紛争を背景としたもので、大半が民間人である1,170人が死亡した。
イランはハマスを支援しているが、直接的な関与は否定している。
ハマスが統治するガザでは、イスラエルによるハマスへの報復攻撃によって、少なくとも33,686人が死亡している。犠牲者の大半は、女性と子供たちである。
イランはイスラエルを承認しておらず、両国は長年にわたって影の戦争を繰り広げてきた。
4月1日の大使館空爆以来、イランはイスラエルとの衝突を予期していた。
「戦争が始まらないように、罪のない人々が死なないように、妥協したほうがいいのです」と43歳の民間企業勤務のマリアムさんは語った。
テヘラン中心部に住む、75歳の退職公務員サレヒさんは「神のご加護があれば、政府は感情よりも理性を優先するでしょう」と語った。
43歳の大学教授エハサンさんは、報復は「論理的」だと称し「戦争は常に悪いものであり、心配なものだです。戦争を経験したことのある人なら、決して戦争を支持しないでしょう。しかし、平和を達成するためには戦争が必要なこともあるでしょう」と続けた。
AFP