
エルサレム:イスラエル軍はラファからパレスチナ市民を避難させ、ガザ地区南部のハマスの隠れ家を攻撃する用意があると、イスラエル国防当局の高官が水曜日に述べた。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相政府の報道官は、イスラエルは地上作戦を「進めている」と述べたが、時期は明らかにしていない。
国防当局者によれば、イスラエル国防省は襲撃に先立ち、ラファから移送されたパレスチナ人を収容するため、10〜12人用のテントを4万張購入したという。
ラファから5キロほど離れたハーン・ユーニスで、正方形の白いテントが立ち並ぶ様子を映したビデオがネット上に出回っているようだ。ロイターはこのビデオを確認することはできなかったが、衛星会社マクサール・テクノロジーズの画像を確認したところ、数週間前には空き地になっていたハーン・ユーニスの土地にテントキャンプができていることがわかった。
イスラエル政府筋によると、ネタニヤフ首相の戦時内閣は、今後2週間以内に会議を開き、民間人の避難を承認する予定であり、約1ヶ月かかると予想されるという。
匿名希望の国防関係者はロイターに、軍はすぐにでも行動を開始できるが、ネタニヤフ首相の許可を待っているところだと語った。
エジプトとの国境に接するラファには、半世紀に及ぶイスラエルの攻撃から逃れてガザを脱出した100万人以上のパレスチナ人が避難している。
「母と私は、侵略が突然起こり、逃げる時間が取れなくなることを恐れているので、ラファを離れるかどうか決断しなければなりません」と、この街で家族と学校に仮住まいしている30歳のアヤさんは言う。
最近、海岸沿いのアルマワシにある難民キャンプに移った家族もいたが、戦車の砲弾が近くに着弾したため、テントが燃えてしまったという。”私たちはどこに行けばいいの?”
激しい攻撃
イスラエルは、ハマスが10月7日にイスラエルの町を攻撃した後、ハマス殲滅のための戦争を開始した。イスラエルは、ラファには何千人もの退却する戦闘員によって強化されたハマスの戦闘大隊が4つあり、勝利のためには彼らを倒さなければならないと言う。
「ハマスに北部で大きな打撃を与えた。また、ガザ地区中央部でも大きな打撃を与えた」と、ガザで活動するイスラエル第162師団司令官のイツィク・コーエン准将は、カン公共テレビにこう語った。
しかし、イスラエルの最も近い同盟国であるワシントンは、イスラエルに攻撃計画を中止するよう求めており、イスラエルは他の手段でハマスの戦闘員と戦うことができると主張している。
米国の中東人道問題担当特使デービッド・サターフィールド氏は火曜日、記者団に対し、「我々は、適切で信頼でき、実行可能な人道計画がなければ、ラファ地上作戦を支持することはできない。ハマスがラファに軍隊を駐留させていることは認識している」
エジプトは、ガザの人々が国境を越えて自国の領土に押し寄せることを許さないという。カイロはイスラエルに対し、ラファへの侵攻は「大規模な人的虐殺と損失(と広範な破壊)につながる」と警告している。
イスラエルは今月、地上部隊の大半をガザ南部から撤退させたが、空爆は継続し、部隊が放棄した地域への空襲を行った。米国、エジプト、カタールによる停戦延長の仲介努力は、ラファへの攻撃を食い止めるために、今のところ失敗に終わっている。
ガザの医療関係者によると、イスラエルの軍事作戦で34,000人以上が死亡し、さらに数千人の遺体が瓦礫の下に埋もれている恐れがあるという。
イスラエルの集計によれば、ハマスは10月7日に1,200人を殺害し、253人を拉致した。イスラエル当局によれば、これらの人質のうち129人がガザに残っているという。軍によれば、10月20日以降、地上戦で260人以上のイスラエル軍が死亡したという。
英国王立サービス研究所の国際安全保障研究シニア・アソシエート・フェロー、H.A.ヘリヤー氏は、ネタニヤフ首相は人質救出とハマス指導者全員の殺害という公言している目的を達成しなければならないというプレッシャーにさらされているため、ラファへの攻撃は「遅かれ早かれ」と予想していると述べた。
「首相は、人質救出とハマス指導者の殺害という公約を達成する必要に迫られているからだ。しかし、全員がラファから脱出することは不可能であり、もし彼がラファへ軍隊を送り込めば、多くの犠牲者が出るだろう 」と述べた。
ロイター