
ワシントン: バイデン政権は、イスラエルがパレスチナの飛び地ガザでハマス打倒の “完全勝利 “を達成する可能性はない、あるいはあり得ないと考えている、とカート・キャンベル米国務副長官が月曜日に語った。
米政府高官はイスラエルに対し、戦後のガザ統治に関する明確な計画を策定するよう促しているが、キャンベル氏の発言は、イスラエルの現在の軍事戦略が目指す結果をもたらさないことを事実上認めた、米政府高官の発言としてはこれまでで最も明確なものだ。
マイアミで開催されたNATOユース・サミットでキャンベル氏は、「ある面では、我々は勝利の理論が何であるかをめぐって苦闘している」
「イスラエルの指導者たちの話をよく聞くと、戦場での全面的な勝利、完全な勝利という考えを語っていることがある」
「私たちは、そのようなことがあり得るとは思っていないし、可能だとも思っていない。これは、9.11の後に私たちが陥った状況によく似ている」
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、10月7日にイスラエルを攻撃し、1,200人を殺害、250人を人質にとったパレスチナの過激派組織ハマスに対して「完全勝利」を達成することを繰り返し誓っている。
これに対してイスラエルは、ガザ地区への容赦ない攻撃を開始し、ガザ保健省の数字によれば、3万5000人以上を殺害し、人口密度の高い小さな飛び地を焼け野原にしてしまった。
キャンベル氏の発言は、ワシントンがイスラエルに対し、イスラエルの攻撃によってすでに避難を余儀なくされている100万人以上の人々が避難しているガザ地区最南端の都市ラファでの大規模な軍事攻撃を行わないよう警告している中で飛び出した。
キャンベル氏は、ガザの状況を、9月11日の同時多発テロの後、米国がアフガニスタンとイラクに侵攻した後に直面した反乱の繰り返しになぞらえ、政治的解決が必要だと述べた。
「その意味で過去と違うのは、多くの国がパレスチナ人の権利がより尊重されるような政治的解決に向かいたいと考えていることだ」
「今ほど難しいことはないと思います」と彼は付け加えた。
ロイター