
メネクセ・トキャイ
アンカラ:トルコがコロナウイルスのパンデミックによる大変な打撃に直面していると警告される中、国際的な格付け機関ムーディーズはトルコ経済の見通しを下方修正した。
ムーディーズは、G20経済のうち「トルコの経済が最大の打撃を受けると予想している」と述べた。
7,530億ドルのトルコ経済のうち約13%を占めるトルコの観光分野は、ウイルス大流行により生じる国内旅行の制限と需要の減少に大きな打撃を受ける、と当機関は語った。
ムーディーズは、2020~21年の「グローバル・マクロ・アウトルック」レポートの中で次のように述べた。「第2四半期および第3四半期の国内総生産(GDP)が約7%累積的に縮小したため、トルコの(B1ネガティブ)経済が最大の打撃を受けると予想している。この打撃は、夏の間トルコの観光関連産業に大きな損害を与える可能性が高い。」
2019年に発表した前回のレポートでムーディーズはトルコの信用格付けをB1、見通しはネガティブとした。
トルコの観光産業の従事者は約100万人おり、民間便の制限と休暇のキャンセルによってコロナウイルスのパンデミックは同分野に重くのしかかるだろうと専門家は警告する。
「コロナウイルスの大流行により、観光分野は最大80%縮小するでしょう」とthe World Tourism Forum InstituteのBulut Bagci会長はアラブニュースに語った。「今年はヨーロッパ市場からの外国人観光客がトルコに来るとは思えません。」
ムーディーズはトルコの経済見通しについて陰気に描写したが、ベラト・アルバイラック財務大臣は、国が5%の成長目標を達成すると今でも楽観視していると述べた。
トルコは先週コロナウイルスの大流行を受けて、事業分野のみに焦点を当てた150億ドルの財政刺激策を公表した。
ムーディーズは、今年のGDP成長を維持すると予想されるサウジアラビア(A1安定的)を除き、すべてのG20経済における2020年の成長予測を下方修正した。
負債を抱えるトルコ経済は外部からの衝撃に弱く、観光はマネーフローの主な収入源の一つである。
一方、トルコの企業団体TUSIADは、レジェップ・タイイップ・エルドアン土大統領への公開書簡を書き、コロナウイルス流行に対しより厳格な対策を講じるよう要請した。
TUSIADは、エルドアン大統領が発表した刺激策はウイルスによる経済的低迷を止めるには不十分であると主張する。
企業は国のロックダウンがウイルスの広がりを抑制するだろうと述べるが、しかし2018年の通貨危機から回復していない経済への打撃に関する懸念は残る。
政府機関であるトルコ統計局が金曜日公表した、3月のトルコ経済信頼感指数は5.9%減の91.8ポイントとなった。
コンサルタント会社のキャピタル・エコノミクスもまた、今週トルコの2020年の成長予測を引き下げ、同国の経済は2%縮小すると述べ、トルコは他のヨーロッパ新興市場諸国と同様に景気減速に直面すると警告している。
ロンドンにあるTeneo Intelligenceの共同社長Wolfango Piccoli氏は、トルコはコロナウイルスによる経済的混乱を最小限に抑えるために労働者と家庭を支援する「経済協定」が必要であると述べた。
「エルドアン首相が発表したパッケージは標準的な経済危機のパッケージのように見えるとはいえ、現在は前例がない状況にあり、英国とドイツで公表された措置と同様の、前例のない対応が必要とされています」と同氏はアラブニュースに語った。
Piccoli氏によれば、トルコ政府はこの危機が一時的な問題であると考えているようだ。
「当局は結果として生じる損害を過小評価しており、経済業界での規制措置の期間や経済減速の長さに関した指導を行っていません」と同氏は語った。
Piccoli氏は、経済回復を支援するための財政・金融能力が限られているトルコは危機に直面している、と述べた。