
アンマン:10月に2人の若いヨルダン人がイスラエル兵に対して国境を越えて行った襲撃事件は、パレスチナ人とのつながりが深いこの国におけるガザ地区での戦争に対する深い怒りの表れである。
「ヨルダン国民の怒りが沸騰していることは否定できない」と、アンマンに拠点を置くアル・クッズ政治研究センターのオライブ・ラントワ所長は述べた。
先週、死海の南側で銃撃戦の末に死亡し、イスラエル兵2名に軽傷を負わせた襲撃犯は、ヨルダン在住のムスリム同胞団のメンバーであったが、イスラム主義グループは、彼らは独自に行動したと述べている。
この事件は、ヨルダン人銃撃犯による別の襲撃事件のわずか数週間後に発生した。この事件では、占領下のヨルダン川西岸地区との国境検問所で、3人のイスラエル人警備員が死亡した。
最近、ムスリム同胞団の報道官は、「フサム・アブ・ガザレーとアメル・カウスという2人の襲撃犯は、『常にガザ地区への連帯と抵抗運動への支援を目的とした活動に参加していた』」と述べた。
抗議活動が行われている一方で、多くのヨルダン人は、貿易停止や国交断絶など、イスラエルに対する具体的な行動を求めていると、ラントワ氏は述べた。
「一部の若者、特にイスラム主義、民族主義、左派運動の出身者たちは、抗議活動だけでは十分ではないと感じている」と彼は語った。
人口の約半分がパレスチナ系であるヨルダンは、この襲撃事件を公式に非難していない。
しかし、ジャファル・ハサン首相は今回の攻撃の後、「我が国は争いの場となることはなく、この国の将来を危険にさらすことも受け入れない。そして、我が国に混乱と破壊をもたらそうとするいかなる勢力も許さない」と述べた。
1994年、ヨルダンはエジプトに次いで2番目にイスラエルを承認し、同国と国交を樹立したアラブ諸国となった。それ以来、両国間の国境は概ね平穏に保たれている。
昨年10月7日のガザ地区での攻撃をきっかけにイスラエル軍と戦闘を続けているパレスチナ武装組織ハマスは、今回の攻撃を「現在進行中の戦闘における重要な展開」と呼んだ。
イスラエルが、10月7日の攻撃の首謀者として非難しているハマスの指導者ヤヒヤ・シンワル氏をガザ地区の軍が殺害したことを確認したわずか数時間後のことだった。
AFP通信がイスラエル政府発表の公式数字をまとめたところによると、この攻撃によりイスラエルでは1,206人が死亡した。その大半は民間人である。
ハマスが統治するガザ地区の保健省が発表したデータによると、イスラエルの報復攻撃により42,924人が死亡しており、その大半は民間人である。この数字は国連が信頼に足るものと見なしている。
国境を越えた攻撃は、「米国の継続的な支援を受け、イスラエルの攻撃がエスカレートしている結果、ヨルダンの一般市民がますます圧迫されていることを浮き彫りにしている」と政治アナリストのラビブ・カムハウィ氏は述べた。
同氏は、「国民と政府の両方で、イスラエルの攻撃的な行動に対する怒りが明らかになっている。ヨルダン政府はイスラエルの攻撃的な行動にいらだっている」と述べた。
アンマンは「ヨルダンが国民の憤激の高まりを無視できないことを示している」と付け加えた。
多くのヨルダン人は、イスラエルに対する両方の攻撃の実行犯を殉教した英雄と見なし、アンマンではお菓子や花火で祝う者さえいた。
9月の攻撃を実行した後、自殺したマヘル・ディアブ・フセイン・アル・ジャジ氏も英雄として称えられた。
彼の父親は地元メディアに「犠牲を払う行為を実行した勇敢な息子を育てたことを誇りに思う」と語った。
国民の広範な怒りに直面し、ヨルダンはガザ紛争の外交的終結を目指している。
しかし、カムハウィ氏は「一部のヨルダン人は、パレスチナ人との連帯を示すには攻撃が唯一の手段であると考えるようになっている」と述べた。
AFP