• 「この禁止令はイスラエルを安全にするものではない。ガザの人々の苦しみを深めるだけで、病気の発生リスクを高めるだけだ」とテドロス氏は言う。

ジュネーブ：世界保健機関（WHO）のトップは月曜日、パレスチナ難民を支援する国連機関との関係を断つというイスラエルの決定を非難し、ガザ地区の民間人の苦しみを増大させる一方で、同国の安全を高めることにはつながらないだろうと述べた。

「はっきりさせておきたい。国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）に代わる選択肢などない」と、テドロス・アダノム・ゲブレイェスス氏はXに掲載されたビデオで述べた。

「この禁止措置はイスラエルをより安全にするものではありません。ガザの人々の苦しみを深めるだけで、病気の発生リスクを高めるだけでしょう」とテドロス氏は付け加えた。

イスラエルが先週、同国の議員たちがこの動きを支持したことを受け、UNRWAとの関係を断絶するという決定を正式に国連に通知したと発表した後に、同氏はコメントを発表した。

戦争で荒廃したガザ地区でほぼすべての支援を調整している同機関の活動停止は、イスラエルの主要な支援国である米国を含む世界的な非難を招いた。

この動きは1月下旬に発効する見通しで、国連安全保障理事会は、数百万人のパレスチナ人に深刻な影響を及ぼすだろうと警告している。

イスラエルは、国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）の職員12人が、イスラエル史上最悪となった2023年10月7日のハマスによる攻撃に参加したと非難している。

一連の調査により、UNRWAには「中立性に関する問題」があることが判明したが、イスラエルは主要な主張の証拠を提示していないと述べた。

ガザ地区で1万3000人を雇用する同機関は、内部調査で「10月7日の武装攻撃に関与した可能性がある」ことが判明した9人の職員を解雇した。

UNRWAは、イスラエルの建国を巡る最初のイスラエル・アラブ紛争の翌年、1949年に設立され、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区、レバノン、ヨルダン、シリアにまたがる約600万人のパレスチナ難民に支援を提供している。

テドロス氏は、「毎日、数千件の医療相談に対応し、数百人の子供たちに予防接種を行っている」と述べ、多くの人道支援団体がガザ地区への物資の供給にUNRWAの物流ネットワークに頼っていると付け加えた。

また、UNRWAのスタッフは「献身的な医療および人道支援の専門家であり、想像を絶する状況下で地域社会のためにたゆまず働いている」と述べた。

AFP通信がイスラエルの公式発表をまとめたところによると、ハマスによる10月7日のイスラエルへの攻撃により、主に民間人1,206人が死亡した。

ハマスが運営するガザ地区の保健省が発表した数字によると、イスラエルの報復攻撃によりガザ地区では43,374人が死亡しており、そのほとんどが民間人である。国連は、この数字は信頼できるものと見なしている。

AFP