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歴史に一縷の望みを見いだすアフガニスタン

サイゴンで、建物の屋上に降りたエア・アメリカのヘリコプターに救助される避難者たち。(ロイター)
サイゴンで、建物の屋上に降りたエア・アメリカのヘリコプターに救助される避難者たち。(ロイター)
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20 Aug 2021 09:08:51 GMT9
20 Aug 2021 09:08:51 GMT9

まずはクイズから始めよう。A国とB国の2国間貿易は過去25年間で200倍に増加し、2020年には900億ドルに達した。A国はB国にとって2番目に大きな貿易相手国であり、B国はA国にとって10番目に大きな貿易相手国である。A国からB国への外国直接投資は10年間でほぼ3倍になり、26億ドルに達した。

両国とも、地域的および経済的問題に関するいくつかの正式なパートナーシップに参加しており、公式の調査によれば、B国の人口が最も重要であるとされる。観光客の数(パンデミック前)が示すように、両国の人々は互いに対し肯定的な見方をしている。両国はまた、頻繁に政府高官の会合を開いている。さらに、この関係が「戦略的パートナーシップ」となることも期待されている。

さて、どの国々がA国とB国に当てはまるか、読者の方々はお分かりになっただろうか。

たいていの場合、EUにある2国を思い浮かべるだろう。実は、A国は米国、B国はベトナムである。混乱のうちにアフガニスタンを離れる米国を目の当たりにして、1975年4月におけるベトナムのサイゴン(現在のホーチミン市)からの撤退と比較するというテーマがソーシャルメディア上で繰り返された。主に米国大使館の上空に浮かぶヘリコプターと大挙して空港へ走る地元住民らの画像が、この単純な比較を招いた。とは言うものの、否定できない類似性が存在する。それは裏切りと絶望感という感情である。アフガニスタンに対するこの新しいビジョンを支持した地元住民は、腐敗した政治家が逃亡して米国が大使館から旗を外すのを目撃し、現在は人道的危機に直面している。

この比較は単純化しすぎているかもしれないが、象徴的である。ベトナム戦争は双方にとってはるかに暴力的で破壊的だった。とはいえ、1995年に関係が回復されて以降、現在ベトナムと米国は前向きな関係にある。これは、政治においては永遠の敵も永遠の友情も存在しないことを思い出させる。そして今日、タリバンは少なくとも短中期的にはアフガニスタンを代表している。では、我々はほどなくして、前向きで建設的な関係を築く米国とタリバン政権下のアフガニスタンを目にするだろうか。ドーハの会談では、少なくともこの可能性の種がまかれたのだろうか。

主な問題は、タリバンが今後数年にわたってどのように行動するかである。国内政策に焦点を合わせるのか、それとも近隣諸国に広がった味方の部族らを自国の政権に対抗するよう鼓舞するのか。我々は、パキスタンのタリバンが以前の支持者らに反乱を起こし、パキスタン政府を公然と攻撃するのを目にするだろうか。シリアとイラクにおけるイスラム国との戦いで目にしたように、軍事訓練のためヨーロッパ人や西洋人に門戸を開くのだろうか。新しい関係を構築するための前提条件は、アフガニスタンがテロリストの下部組織を庇護することを拒否し、人権を認めることであると言っても過言ではない。

また、中国が最大の勝者となるかどうかを判断するのは時期尚早である。中国政府は確実に新政権と連携するだろう。主に、中国・パキスタン経済回廊を完成させる一帯一路に必要な鉄道の開発に焦点を当て、アフガニスタンのレアアース鉱山も開発する可能性がある。過去には中国人労働者に対する攻撃があり、決して容易に成せることではない。しかし中国は、中央アジアの近隣諸国を不安定に陥れる、あるいは国境を越えて自らの支配を拡大しようとしているタリバンに警戒するだろう。それは、ロシアだけでなく、中国にも受け入れがたいことである。

地域的機関はこの点で重要な役割を果たしており、状況を安定させるのに役立つ。たとえば、米国、ベトナム、オーストラリア、インド、日本を含む東南アジアのパートナーシップ、クアッド(the Quad)として知られる日米豪印戦略対話は、ベトナムと米国の両国にとって非常に重要であると考えられている。貿易と為替を通じて、両国は、米国にとってさらに前向きな強い関係を享受している。明らかに、あつれきと不確実性がそこにはある。ベトナムはまた中国とのバランスを保ち、攻撃的と見なされかねない行動を回避することに重きを置く。現在に至るまでベトナム政府は、中国が軍事拡大と解釈する可能性のある広範な軍事援助または同様の行動に反対している。

ベトナムと東南アジアの関係のように、同じ方程式がアフガニスタンにも当てはまる。米国と、より積極的な中国との関係においてバランスをとることである。

カレド・アブ・ザール

地域的および世界的なレベルでは、アフガニスタンの現在の状況は米国の外交政策に依然として影響を及ぼしている。米国の同盟国とパートナー国が自らの利益を守るために自分たちの立場をどのように見直し、再評価するかという問題もある。とはいえ、これは新しい問題ではない。多くの国はこの新たなバランスを解釈するために、防衛および安全保障の協力関係をすでに築き、拡大し始めている。この傾向は今や加速し、増幅するだろう。米国がその政策を撤回または変更した場合に備えて、軍事力や安全保障能力を損なわれたままにしておくことは誰も望んでいない。この作戦の拡大は、中東諸国のいわゆるアラブの春の後に始まった可能性がある。

ベトナムと東南アジアの関係のように、同じ方程式がアフガニスタンにも当てはまる。米国と、より積極的な中国との関係においてバランスをとることである。とはいえ、本質的には、米国と中国の双方は安全保障と不干渉に関連してタリバンに同じ保証を求めている。それはロシアが目指すこととも一致する。

多くのアナリストはすでに、この点については、タリバンからの誓約によってドーハの会談中に合意している、と述べる。最大のリスクは、タリバンが制御できないと主張する他のグループによる張り合いであり、そうなると内戦は猛烈な勢いで拡大するだろう。それが事実となるか、さらにアフガニスタンが将来のクイズでC国になるかどうかは、時が経てば分かるだろう。筆者としては、そう考えている。

  • カレド・アブ・ザール氏はメディア・テクノロジー会社ユーラビアのCEO。また、アル・ワタン・アル・アラビ紙の編集長でもある。
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