

ナジア・フッサーリ
ベイルート:新型コロナウイルスのパンデミックの真っ只中、議員がソーシャルディスタンスを保てるようにするため、火曜のレバノン国会は議事堂で着席したまま行われた。
マスクと医療用手袋を着用した議員たちがユネスコ宮殿として知られるホールに到着すると、救急隊員は一列に並んだ議員たちに一斉に消毒液を噴射した。
レバノンが1ヶ月以上前に新型コロナウイルス拡散抑制のためのロックダウンを実施して以来初めての3日間の時間差会議が国会にて開かれた。
2020年予算採択についての国会の会議は1月27日に中断され、続いて2月11日に行われたハッサン・ディアブ首相内閣への信任投票についての討議のための会議も中断された。
議題には国家汚職防止機関の設立、および国際復興開発銀行(IBRD)からの融資を含む一連の融資の承認に関する提案が含まれていた。
国会では医療目的での大麻の栽培を許可する法律が可決されており、レバノンでの大麻栽培はこれより合法となる。
また、汚職容疑での起訴を許可するための大臣および議員の免責の取り消し、および首都とベッカーを繋ぐトンネルの建設を政府に許可することに関する法律が国会で承認された。
バールベック・ヘルメル県議員のアル・ワリード・スッカリーは、「トンネルの重要性は、ベイルートの港からレバノンのアラブ諸国との国境までを直接繋ぐことでベッカーからベイルートへの人口流出を緩和し、ベッカー地区の経済を復活させることにあります」とアラブニュースに語った。
国会はまた、レバノンの医療制度を強化することを目的としたプロジェクトを実施するため、IBRDとの融資契約を可決した。
ナビ・ベッリ国会議長は、「IBRDが融資を撤回したことにより」、土地制度近代化プロジェクトを設立するための融資契約の草案を議題から削除することを発表した。
この会議はCOVID-19の拡散を抑制するための外出禁止時間の2時間前に再開されたが、市民活動家による抗議の再開を妨げることはできなかった。何十人もの抗議者たちがスローガンで覆われた車で列を組んで騒ぎ立てた。運転手は警笛を鳴らし、乗客は国旗を振り回し、マスクを着用したまま窓から身を乗り出した。昨年10月に大規模な抗議運動が勃発して以来、彼らは生活状況について抗議し、非難を浴びる政治的エリートたちにプレッシャーをかけ続けるため、外出自粛命令を無視している。
抗議者たちは、「腐敗した権力からの離脱、略奪された富の奪還、そして国家を破産させた人々への説明責任」への要求を新たにした。彼らは抗議行動について、新型コロナウイルス危機が収束した時に街頭へ復帰するためのリハーサルだったと述べた。
政権に就いて3ヶ月目のディアブ政権は、2月29日の学校、大学、諸施設の閉鎖によって悪化した経済状況に直面している。
火曜にドルが3,250レバノンポンドという歴史的な価格を記録し、貧困者の数が増加し、レバノンの購買力は減少した。銀行は預金のドルによる引き出しを停止している。火曜、ベッカー県ベドナイェルで銀行が預金の引き出しを拒否したため住民が激昂し、介入した多くの支持者たちが集団で銀行のファサードを破壊した。
休業中の多くの施設や機関が再開できない可能性がある。
アラブニュースはベイルート市場のツアーにて、閉業の準備として店内を空にした店舗やカフェを複数観察することができた。
保健省の日報にてCOVID-19の新たな感染が報告されなかったのは、2月21日にレバノン初の症例が検出されて以来初。