
ジュネーブ:国連は金曜日、シリア国内の状況が非常に悲惨であるため、イスラエルとヒズボラの戦闘から逃れてシリアに避難したレバノン人住民の一部がレバノンへの帰還を選択していることを懸念していると表明した。
「レバノンに帰還するという非常に困難で、命を脅かす可能性のある決断を下し始めているレバノン人家族がいる」と、国連難民機関(UNHCR)のシリア代表ゴンサロ・バルガス・ジョサ氏は述べた。
「これは非常に少ない数ではあるが、我々にとっては、たとえ少数であっても憂慮すべき兆候である」と、シリア・レバノン国境からビデオリンクでジュネーブの記者団に語った。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ガザ地区での戦争を巡るイスラエルとヒズボラの数か月にわたる国境砲撃が全面戦争にエスカレートした9月下旬以降、近隣のレバノンからシリアに逃れた難民は約56万人に上ると推定している。
レバノン当局はさらに多い61万人以上と発表している。
バルガス・リョサ氏は、シリアに流入している人の約65パーセントは、13年にわたる内戦で引き裂かれているシリア自体の紛争からレバノンに避難しているシリア国籍の人々であると述べた。
同氏は、2017年から今年9月23日までに、およそ40万人のシリア人がレバノンから自国に戻ったと指摘した。
「ほぼ同数の人々が…7~8週間の間に戻ってきました」と述べ、さらに、その期間に約15万人のレバノン人がシリアに到着したと付け加えた。
彼は、インフラが破壊され、経済が崩壊したシリアの地域社会が、到着した人々に対して示した「模範的」で「並外れた寛大さ」を称賛した。
しかし、シリア自身の「壊滅的な経済状況」を考えると、この寛大さがいつまで続くかは不明であると警告した。
彼は、危険を冒してでもレバノンへの帰還を選ぶ人々の数は確かに少ないが、すでに懸念すべき兆候が出ていると指摘した。
UNHCRは、「1日平均50人までのレバノン人がレバノンに戻っている」と述べた。
彼らは「シリアの状況はひどく、爆撃があるにもかかわらずレバノンの方がましだ」と考えているからだ、とバルガス・リョサ氏は述べた。
レバノンに戻れば、より充実した支援体制やサービスへのアクセス、さらにはわずかな収入を得ることも可能になるかもしれない、と同氏は述べた。
「国際社会からの支援が本格的に行われない限り、このような非常に困難な状況下で帰国を選択するレバノン人の数は今後数週間、数ヶ月で増加する可能性がある」と警告した。
「これは非常に憂慮すべき事態である」
「シリアからの帰還者の一部は、再びレバノンへ越境することを選択している。その主な理由は、シリア国内の経済状況が極めて深刻であるためだ」とバルガス・リョサ氏は述べた。
一方で、同氏は最近、シリアへの流入ペースが「大幅に減少した」と述べた。ピーク時には1日あたり1万~1万5000人だったのが、現在は平均で約2000人となっている。
バルガス・リョサ氏は、この減少はイスラエルによる国境検問所の爆撃が繰り返し行われていることと関連している可能性が高いと非難した。
「シリア人とレバノン人は、これらの脱出ルートを使うことを非常に恐れている」と彼は述べ、イスラエル軍に「このような容認できない攻撃をただちに止めるべきだ」と訴えた。
AFP