ダマスカス:シリアの首都ダマスカスに住む多くの人々と同じように、学生のシャディも、先週武装勢力が衝撃的な攻撃を開始して以来、出来事のペースについていくために家にいることを選んだ。
「外に出たくなかったし、みんな愛する人に囲まれてニュースを追うために家にいることを選んだ」
武装勢力が次々と都市を占領するなか、多くのシリア人は、14年目に突入したシリアの内戦の最悪の日々が再び起こることを恐れ、不安にさいなまれている。
「もう何もわからない。たった1週間で、紆余曲折はあらゆる理解を超えている」
「心配は伝染するものだけど、冷静でいなければならない」と彼は言い、携帯電話のアラートから一度も目を離さなかった。
イスラム過激派組織ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)に率いられたシリア武装勢力は、11月27日に衝撃的な攻撃を開始し、北西部の拠点からアレッポやハマスといった主要都市を含むシリア北部と中部の大部分を占領した。
政府軍は反攻を開始し、武装勢力を撃退しようとしているが、その代償として、シリア国内の他の地域、特にクルド人主導の勢力が占領している東部への支配を緩めている。
首都のシェイク・サード地区で食料品店を営むアミーネさん(56)は、「噂が広まるたびに、人々はパン、米、砂糖、洗剤などさまざまな商品を買いに殺到する」と語った。
「今日も卸業者から2回買って、需要に対応した」
住民によれば、攻勢によってダマスカスではすでに食料品の価格が30%も高騰しているという。
シリア・ポンドは、先週水曜日に武装勢力が攻勢を開始する前の1万5000ドルから、史上最低の1万9000ドルで取引されている。
住民によれば、攻勢前からすでに厳重だった治安対策は強化され、特に首都の外から来る車に対する特別な検査が実施されているという。
偽情報や噂の拡散によって、懸念はさらに高まっている。
シリア国防省は、参謀本部での爆発を含む「捏造」ビデオを非難し、「市民の間に混乱とパニックをまき散らすことを目的とした嘘」の餌食にならないよう市民に呼びかけた。
いつもは賑やかなバブ・シャルキ地区では、夕方になるとレストランやカフェはほとんど閑散としており、客足が途絶えて早々に閉店する店さえある。
ダマスカス大学は学期末試験を延期し、シリアサッカー連盟は試合を延期した。
国営通信SANAは、金曜日の礼拝でイマームが信者に 「パニックに陥らず…祖国を守るシリア・アラブ軍の後ろに一丸となって立つように 」と呼びかけたと報じた。
ジョージナさん(32)は、「多くの噂を聞いた」と語った。
「ダマスカス旧市街に行きましたが、普段の状況でした」
一方、一部のラジオ局はバラエティ番組からノンストップのニュース番組に切り替えた。
国営テレビでは、アナリストや現地の目撃者を招いて番組を放送し、武装勢力が新たに領土を失ったという 「噂 」を否定している。
AFP