

(ロンドン発)英国及びEUは国連とともに、イスラエルが、占拠しているヨルダン川西岸を併合することに反対。
動画ブリーフィングの中で、ニコライ・ムラデノフ国連中東特使は何であれそのような動きをすることにつき警告し、「ヨルダン川西岸の一部を併合すれば、重大な国際法違反となり、二国並立という解決策に破壊的な打撃となり、交渉再開の門戸は閉ざされ、地域の和平を進める努力が脅かされる」と述べた。
このような介入的な発言は、20日にリクード党のネタニヤフ首相と「青と白」連合を代表するベニー・ガンツ氏が連合政権樹立合意を成立させ、たった12カ月で3度もの選挙が実施されることさえあった何カ月にもわたる政治的な停滞に終止符が打たれたことを受けてなされた。
ネタニヤフ首相は、入植賛成派の有権者の支持を獲得しようとして、ヨルダン峡谷その他ヨルダン川西岸の一部併合を選挙マニフェストの政策綱領の真正面に据えた。
ガンツ氏との合意によって、7月1日が併合を進める法案が上程される予定日とされ、
そうした政策上の立場は確固としたものとなった。
マイク・ポンペオ米国国務長官は22日にホワイトハウスは連合政府樹立合意を歓迎するとしつつ、ヨルダン川西岸の一部併合は「究極的にはイスラエルが決断すべきことである」と述べた。
英、仏、独、EUの国連での代表者は皆、何であれイスラエルのそのような動きには反対である旨表明している。
ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、国連安保理の会合を前に国連安保理に書簡を発出し、「1967年にイスラエルによって占領された地域の地位に関する欧州連合の立場に変更はない…欧州連合は占領されているヨルダン川西岸にかかわるイスラエルの主権を承認しない」とした。
ジェームズ・ロスコ―英国国連代表部次席大使代行は、とりわけコロナウイルスの世界的流行によって世界規模で保健危機が生じているさなかに、イスラエル政府がさらに併合を進めることにまつわる危険性について発言した。
ロスコ―英国国連代表部次席大使代行は国連安保理に対し「目下の脆弱な時期にあって、我々は両当事者に対し、非常に重要性の高い協力に妨げとなるかもしれない、あらゆる挑発的行動を自制するよう求める。当該挑発的行動には扇動、入植活動、(家屋)破壊、入植者関連の暴力が含まれる」と述べた。
我々は、新イスラエル連合政府がヨルダン川西岸の一部の併合を進める方向の合意を形成した旨の報道があることに深く憂慮している。
ジェームズ・ロスコ―英国国連代表部次席大使代行
ロスコ―英国国連代表部次席大使代行は「英国は、(家屋)破壊活動が継続していることをとりわけ憂慮しており、これには暫定保健センターの破壊が含まれ、これによってパレスチナ人が新型コロナウイルス感染症に対応する能力が衰弱化する。国際人道法において、占領当局は、占領地において当該占領国に可能なあらゆる手段をもって公衆保健衛生を確保及び維持することが義務付けられている」と述べた。
ロスコ―英国国連代表部次席大使代行は、「我々は、新イスラエル連合政府がヨルダン川西岸の一部の併合を進める方向の合意を形成したとの報道があることにつき、深く憂慮している」と付言し、「英国の立場は明確である。イスラエルによる、ヨルダン川西岸の一部の併合進めるあらゆる一方的な動きは、和平交渉再開努力に打撃をもたらすとともに、国際法にもとるというものだ」と述べた。
ニコラ・ドゥ・リビエール・フランス国連代表部大使は国連に対し「併合が行われれば、反発は回避しえず、我々のイスラエルとの関係においても看過されることはなかろう」と述べた。
イスラエルの治安部門の幹部220名以上が4月にイスラエルの各種新聞に掲載された、ヨルダン川西岸の一部の一方的併合を行うことの危険性についてイスラエル議会議員に警告する内容の全面広告に著名した。
それによると、そうした動きによって、イスラエルの近隣諸国であるエジプト及びヨルダンとの和平合意が危険にさらされる。
22日に、マフムード・アッバースパレスチナ大統領は「何人も、世界がコロナウイルス危機で忙しいことに乗じて我々の権利を侵害することができると信じ込むべきではない。我々は何人にも我々の権利を侵害することを容赦しない」と述べた。