ダマスカス:バッシャール・アサド政権の劇的な崩壊により、禁止薬物カプトンの産業規模での輸出など、同政権の暗部に光が当てられることとなった。
勝利を収めたイスラム主義者率いる戦闘員は、アンフェタミン系覚醒剤の軍事基地と流通拠点を押収した。この覚醒剤は中東全域の闇市場に溢れ出ていた。
ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)グループが率いる武装勢力は、膨大な量の麻薬を発見したと主張し、それらを破壊すると誓った。
水曜日、HTSの戦闘員はAFPのジャーナリストをダマスカス郊外の採石場の倉庫に入れた。そこでは、輸出用の電気部品の中にカプトンの錠剤が隠されていた。
「我々が中に入り、捜索したところ、ここがマヘル・アサドとそのパートナーであるアメル・キティの工場であることが判明した」と、黒い覆面の戦闘員アブ・マレク・アル・シャミ氏は語った。
マヘル・アサドは軍司令官であり、失脚した強権政治者の兄弟である。現在は逃亡中と見られている。彼は、利益率の高いカプタゴンの密売の黒幕であるとして広く非難されている。
シリアの政治家のキティは、2023年に英国政府から制裁措置を受けている。英国政府は「シリア国内で複数の事業を支配し、麻薬の製造と密輸を促進している」と述べた。
倉庫と荷捌き場の地下にある広大なガレージでは、何千錠もの埃まみれのベージュ色のカプトゴン錠剤が、新品の家庭用電圧安定器の銅コイルに詰め込まれていた。
「国外に密輸する目的で、大量のカプトンの錠剤が詰め込まれた機器が多数発見された。 膨大な量だ。 とても数えきれない」とシャミ氏は語った。
その上の倉庫には、密売人が貨物をパレットに載せた標準的な商品に見せかけるために、段ボール箱が用意されていた。
苛性ソーダ、または水酸化ナトリウムは、覚醒剤であるメタンフェタミンの製造に欠かせない原料である。
アサド政権は週末、HTSの電撃的な攻撃により崩壊したが、シリア内戦の13年間、カプタゴンの販売による収益がアサド政権を支えていた。
カプタゴンはシリアを世界最大の麻薬国家へと変貌させた。AFP通信が2022年に実施した調査で、公式データから導き出された推定によると、カプタゴンはシリア最大の輸出品となり、合法的な輸出品をすべて合わせたよりもはるかに多くなった。
倉庫から大量のカプタゴンが発見されたが、マヘル・アサドの指揮下にある部隊に関連する軍事施設からも、より小規模ながら依然として大量のカプタゴンが発見されている。
AFP通信のジャーナリストは今週、首都ダマスカスを北部から急襲したHTSの戦闘員が占拠しているマゼー空軍基地で、大量のカプタゴン錠剤が燃やされているのを発見した。
くすぶる山の後ろには、略奪された空軍の建物があり、カプタゴンが他の違法輸出品、例えば正規品ではないバイアグラ勃起不全治療薬や粗悪な偽造100ドル紙幣などと一緒に置かれていた。
「我々がその地域に入ったとき、大量のカプタゴンを発見した。だからそれを破壊し、燃やした。大量だぜ、兄弟」と、戦時下の別名「ハッタブ」を名乗るHTSの戦闘員は語った。
「人々にとって有害だから、それを破壊し燃やした。自然や人々、人間に害を与えるからだ」
また、ハッタブは、崩壊した政権に代わる暫定政府を樹立したHTSは、数十億ドル規模の取引となる麻薬の輸出によって近隣諸国を害することを望んでいないと強調した。
AFP