
サイード・アル・バタティ
ムカッラー:自治体当局が制限を解除するなか、イエメンでただ1人新型コロナウイルス陽性反応が出ていた患者が全快して隔離センターを出た。現地保健当局がアラブニュースに語った。
「男性は2度のウイルス検査で陰性が確認され、現在は良好な健康状態です」とハドラマウト県保険省のリヤド・アル・ジャリリ局長は述べた。
イエメンでは4月10日に国内初の感染者がみつかった。患者はハドラマウト県南部の港湾都市シフルに住む60代の政府関係者と特定された。
現地の保健当局は患者の接触者を追跡し、接点をもつ医療従事者や家族を隔離した。また、パンデミック対策の任を負う政府主導の国家最高緊急対策委員会も男性の回復を発表した。
男性は社会的接触の制限、手袋とマスクの着用、そして14日以内に具合が悪くなれば直ちに医者に連絡するなどの予防措置を取るよう言われていた。
アル・ジャリリ局長は、患者が直接接触して新型コロナウイルスの症状が出ていた数名の男性は検査で陰性が判明したものの、患者の家族は検査を受けることを拒んだと述べた。
「家族が拒んだのを受け、我々は彼らを21日間屋内に留めてきましたが、それが今日(火曜)終了しました。彼らうちのいずれかに症状が現れた場合に備え、我々は見守っていきます」とアル・ジャリリ局長は付け加えた。
概要
保健当局は、患者が発症前に訪れたハドラマウト県内の3地区に訓練を受けたボランティアを配属したと述べた。
ハドラマウト県の自治体当局は、男性の回復が正式に発表される前にすでに、今月初めから敷かれていた日没から夜明けまでの外出禁止令を解除してビジネスの再開とモスクでの礼拝を解禁していた。
保健当局は、患者が発症前に訪れたハドラマウト県内の3地区に訓練を受けたボランティアを配属したと述べた。
「ボランティアたちはマーケット、住宅、集会などを訪れて検温し、症状が出ていないかを検査します」とアル・ジャリリ局長は述べた。
さらに、3地区あるいは同県の他地区においても、呼吸に異常を感じる人々は新型コロナウイルスの検査を受けることになるとした。
「我々は手袋、マスク、防護服などの防護装具を必要としています。また、綿棒、試薬、体温計も必要です」と彼は言った。
世界保健機関(WHO)イエメン事務局は、ハドラマウト県を含むイエメン国内に、感染症と戦うためのノウハウや装具とともに保健施設を供給していると述べた。
「検査を行う研究所スタッフは訓練を受けており、検査の実施スキルを持っています。試薬もWHOが支給した世界基準のものです」とWHOイエメン事務局の緊急準備対策担当職員であるジェレミアス・ナイーン氏は述べた。
「実際に全国の公衆衛生研究所には6700の検査キットがあり……さらに3000キットが届くことになっています」と彼は述べた。
感染初期の検知とその後の迅速な接触者隔離とが感染拡大を断ち切るのに有効だったのだろうと彼は付け加えた。