• 腐敗やテロ関連の問題の協議のため米国代表団がベイルートに到着
• エンジニア・シンジケート選挙で野党連合は与党に対する大勝利を祝った

ナジャ・フーサリ

ベイルート： レバノンのミシェル・アウン大統領は月曜、新首相を選ぶ議会協議を7月26日に開始すると発表した。

レバノンは1年近くもの間、暫定政府によって統治されている。一方、レバノンの通貨は暴落しており、近代以降で世界最悪の経済危機の1つと言われる中、多くの国民が職を失い、銀行は顧客の口座を凍結している。

サアド・ハリーリ氏が9ヶ月前に首相指名候補として選ばれていたが、アウン大統領との何ヶ月にも及ぶ交渉が決裂。新政府樹立に失敗する結果となり、木曜、指名候補を辞任した。以前の政権はハッサン・ディアブ首相が率いていたが、昨年8月4日のベイルート港爆発事故で国民の怒りが高まる中で辞職した。

それ以降、加速する経済破綻が飢餓、混乱、燃料不足を助長。レバノンは1975年に勃発した内戦以来、最悪の危機に見舞われている。レバノン中央銀行の外貨準備金は急速に枯渇し、レバノン通貨は2019年以降その価値の大部分を失った。それにより物価は急騰。人口の半数以上が貧困に追いやられた。

月曜、米国財務省のテロ資金・金融犯罪局の代表団がベイルートに到着した。在レバノン米国大使館によると、代表団は「財政部門の対話者や市民社会団体と会談し、腐敗、不法な財務、テロ対策に関連する問題について議論を行う」という。

土曜、中東問題の米国防衛副次官補ダナ・ストロール氏は「レバノンは国民の食卓に食べ物をもたらす能力を欠いており、暴動が起きる可能性があります」と警告した。

さらにストロール氏は「政府樹立に失敗し、ヒズボラの企みが現在も続いています。ヒズボラはレバノンという国家に挑戦するためにイランから支援を受けているからです」そのことが「レバノンを弱体化させるとともに、合法的な政府の代替選択肢を持たせずにいるのです」と、懸念を表明した。

そしてストロール氏は「米国国防総省はこの状況を入念に監視しており、このような暴動を防ぐために迅速な手を打つようレバノンの指導者を促しています」と付け加えた。

一方、日曜にベイルートで実施されたエンジニア・シンジケートの選挙結果で、有権者は自分たち自身の手で問題に取り組み始めていることが示された。2019年10月17日に革命の中で結成された野党「シンジケートの反乱」連合が与党に対して大勝利を収めた。これはレバノンのシンジケート選挙史上初のことである。

野党タハロフ・ワタニ（祖国連合）の活動家ラルフ・ジャーマニー氏はアラブニュースに次のように語った。「エンジニアを始め、国民は権力の座にいる政党に怒りを感じています。通常、どのような社会でも教育を受けた階層が政党に責任を課すものであり、これが文明人の行いというものです」

「投票を通し、エンジニアは権力の座にいる政党に対して、国民は羊ではないと伝えたかったのです」

今回の選挙は革命グループが与党側の支配層に対してどの程度団結して対抗しているかを問う国民投票として見られており、そうした中で野党連合が約3分の2の票を獲得した。

シンジケートのエンジニアとして46,000名以上が登録されているが、その多くはレバノン国外で就労しており、合計8,727名が投票した。「シンジケートの反乱」連合のアレフ・ヤシン氏が5,798票を獲得。ジャド・サベト氏の後任としてシンジケートの代表となる。

ヤシン氏は未来運動とアマル運動の支援を受けたバセム・アル・ウエイニ候補や、他の与党の支援を受けたアブド・スカリア候補に勝利。その得票差は約4対1だった。

与党は野党候補の評判を落として投票意欲を削ぐことを狙った風評を流し、選挙を混乱させようとした。

「権力の座にいる政党は、その座を守るために汚い戦いをしました」ジャーマニー氏は語る。「特に（シンジケートは）都市計画や、海洋資産の行く末、認可付与の発言権を持っているため、こうした政党は特定の取引を行うことでシンジケートから利益を得ていました」

「与党が権力の座についていたとき、あらゆることが彼らの利益となるように決定されていました」