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どのようにして、生まれたばかりの赤ちゃんがレバノン人の母親の腕から引き離され、イスタンブールの病院で行方不明になったのか

母親の腕から引き離されて以来、誰も男の赤ちゃんを見ていない。(画像は記事の説明用のストック写真/Shutterstock)
母親の腕から引き離されて以来、誰も男の赤ちゃんを見ていない。(画像は記事の説明用のストック写真/Shutterstock)
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20 Sep 2020 08:09:53 GMT9
20 Sep 2020 08:09:53 GMT9
  • イスタンブールの病院で男の赤ちゃんが行方不明になり、取り乱した母親が答えを求めている。

Najia Houssari

ベイルート:生まれたばかりの赤ちゃんが母親の腕から引き離されて行方不明になるというのは、すべての親にとって最悪の悪夢だが、レバノンの若い夫婦にイスタンブールの病院で息子が誕生した直後に起こったことだ。

モハメッド・サリム(Mohammed Salim)さん(27歳)とジャナ・アル・カウジ(Jana Al-Qawzi)さん(23歳)が、生まれたばかりの男の子をこの世界に迎え入れた時、スタッフが母親の腕から赤ちゃんを引き離し、それ以来、誰も赤ちゃんの姿を見ていない。

4か月前、夫婦は新しい、より良い生活を求めてトルコに移住したが、今は息子の失踪についての答えを必死に探している。

病院当局は、生まれてすぐに母親の腕から引き離されて行方不明になった息子がどうなったについて、納得の行く説明をしてくれなかったという。

ジャナさんの母親でベイルート・アメリカン大学に勤務するナダ・アル・カウジ(Nada Al-Qawzi)さんは、「娘は打ちひしがれていて、悲しみに沈んでいる」と語った。

ナダさんはアラブニュースに次のように語った。「ジャナは生まれてくる赤ちゃんにより良い人生のチャンスを与えたかったのです。モハメッドは金物店を経営し、ジャナはベイルートの私立病院の従業員でしたが、レバノンを離れることにしました」

「イスタンブールでは、二人とも仕事を見つけ、彼女の妊娠経過は正常でした。しかし、妊娠6か月目に、医師は娘に赤ちゃんの心拍が遅くなっていると言いました。1か月後、ジャナは腹痛を訴え、医師からはすぐに出産するように言われました」

「その時からジャナとモハメッドの悲劇は始まりました」

モハメッド・サリムさんとジャナ・アル・カウジさんのトルコでのより良い生活の夢は悪夢に変わった。(提供写真)

ジャナさんは、7月に始まった悪夢から逃れることができないという。

「私の涙は乾きましたが、鎮痛剤を飲んでいます」と彼女は話した。

夫婦のトルコでの滞在許可は失効しているが、ジャナさんは、イスタンブールのオクメイダニ病院で生まれた赤ちゃんがどうなったか知らないまま出国することを拒んでいる。

トルコ人ではないため、ジャナさんは7月5日に病院に4,000トルコリラ(528ドル)を支払わなければならなかったが、現地当局に確認したところ、病院は無料で入院させてくれたという。

病院では、分娩(ぶんべん)が誘発された後、ジャナさんは分娩室に1人残された。近くで他の女性が出産していたため、夫は一緒にいることができなかった。

ジャナさんの母親は、娘が出産した時、赤ちゃんが「とても小さくて青っぽかった」ことにショックを受けたと話している。

ジャナさんの悲鳴を聞くやいなや、医師がやってきて赤ちゃんを連れて行った。ジャナさんは携帯電話を使って赤ちゃんの写真を撮ることを許されなかった。

数分後、医療スタッフが戻ってきて、赤ちゃんが死んだことを告げた。ジャナさんは、外で待っていたモハメッドさんに電話をかけ、彼が泣き叫ぶ声が聞こえたという。

その時以来、夫婦の生活は地獄になったとジャナさんは話す。

夫婦はまだ赤ちゃんがどうなったのか知らない。隣の部屋で出産していた女性は「赤ちゃんはまだ生きている」と言い、病院の経営陣は「死んだ」と言っていたという。

夫婦が赤ちゃんの遺体の返還を求めたところ、つじつまの合わない答えが返ってきた。病院の記録には赤ちゃんの痕跡はなく、見つかったのはジャナさんの名前だけだった。

ある医師は、赤ちゃんは生まれた時は生きていたが集中治療室に入れられた後に死亡したと医療報告書に書いていた。しかし、別の医師は、赤ちゃんは出産中に死亡し、遺体は看護師によって持ち去られた主張していた。

夫婦は弁護士を雇い、ジャナさんの母親はベイルートの人権団体に、事件の調査と娘のための精神的な助力を求めた。

トルコ当局も調査に乗り出したが、弁護士によると、当局の調査は非常に遅かったといい、問題を取り上げてもらうためトルコのメディアに出向くよう夫婦にアドバイスしたという。

ジャナさんの母親によると、トルコのレバノン大使館は夫婦とトルコ当局に連絡を取ったという。夫婦がレバノン大使館に聞いたところによると、調査は3人の看護師にまで及んでおり、病院の遺体安置所の管理者が「携帯電話の電源を切った後、ネットワーク圏外に出た」という。

事件から2か月が経過し、ジャナさんはまだ赤ちゃんがどうなったか知らないが、地元当局は夫婦に国外退去を迫っている。

しかし、夫婦は真実を知るまでは、たとえ違法であってもトルコに留まると言っている。

モハメッドさんは仕事を失い、ジャナさんの母親によると、ジャナさんはベビーシッターとして働き、新たな在留許可を得たいと考えているという。

「彼らはレバノンに戻る前に真実を知りたいと思っています」とジェナさんの母親は話した。

夫婦は亡くなった息子の名前をモハメッドと名付けた。

ジャナさんの母親は言う。「私たちはこの事件がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に届くことを望んでいます。報告書はありますが、事件の経過と矛盾しています。私の娘は赤ちゃんが死んだことについて平穏を取り戻しましたが、彼がどうなったか知ることなく休むことはありません」

この事件については様々な説が唱えられているが、ジャナさんはいずれの主張も信じることを拒否している。

赤ちゃんが違法な臓器の売買に使われた可能性はあるのだろうか。トルコでは1,500人以上の赤ちゃんが不可思議な状況で行方不明になったと考えられている。

「私はこの可能性について考えたくありません。そんなことには耐えられません」とジャナさんは言った。  

レバノン人弁護士のポール・モルコス氏は、トルコの病院の事件対応について疑問を呈し、なぜ夫婦からの医療費の受け取りや、病院の請求書を渡すことを拒否したのかを問うている。

同弁護士はまた、病院の矛盾した情報と、遺体安置所の責任者の「失踪」を強調した。

「何が起きたのかを知り、組織的犯罪の可能性を排除できるように遺体を回収したい」と同弁護士は語った。

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