
ビート・ラヒヤ:停戦により、イスラエルの空爆を恐れずに廃墟と化した家に戻ることができるようになったが、深刻な水不足に直面している。
「私たちはここに戻ったが、ポンプも井戸もなかった。建物も家も見つからなかった」と北部の町ベイトラヒヤに住む50歳の農民バセル・ラジャブさんは言った。
「避難するためにテントを張ったが、水がない。私たちは苦しんでいる」
イスラエルとパレスチナの過激派組織ハマスとの戦争が始まってから16カ月が経過したガザでは、飲料、調理、洗濯は贅沢なことだ。
ラジャブさんは、ガザ・シティでシャワーを浴びるために16キロ歩くこともあるという。パレスチナ人の中には、海に近い地域に井戸を掘ったり、海水や汚水で汚染されたガザ唯一の帯水層からの塩辛い水道水に頼っている人もいる。
パレスチナ水庁は、水と衛生部門の修復に27億ドルかかると見積もっている。パレスチナ人は、戦争で井戸が破壊される以前から、食料、燃料、医薬品の不足に加え、深刻な水危機に直面していた。
パレスチナ水庁は、306カ所の井戸のうち208カ所が戦争で使えなくなり、さらに39カ所が部分的に使えなくなったと、ウェブサイト上の声明で発表した。
「占領軍(イスラエル)が、井戸の操業や井戸掘りに必要なドリル、掘削機、機械、設備、発電機の(ガザへの)立ち入りを妨げているため、大きな不足が生じている」とベイトラヒヤのアラ・アル=アッタル市長は述べた。
アッタル氏は、小さな会社が井戸を修理しようとしているが、最小限の設備しかないと述べた。
また、「現段階では、水危機の深刻さを緩和するために、新しい井戸を設置しようとしている」と付け加えた。
人道活動を管理するイスラエル軍のCOGATは、ガザ地区北部を含む国際組織と水道修理の調整をしていると述べた。
ハマスとイスラエルの停戦は1月19日から続いている。
戦争が勃発する以前から貧困と高い失業率に悩まされていたガザでは、いつの日か再建したいと願うガザの人々が、水、食料、医薬品、燃料の不足に圧迫されている。
ユセフ・カラブさん(35)は、重い水の容器をロープを使って自宅の屋根まで運ばなければならないと言う。自治体からの給水は3日に1度だ。
「私たちには階段を上り下りする力がない。子供もいるし、お年寄りもいる。みんな水を欲しがっています」とカラブさんは水の容器を持ち上げながら言った。
12歳のモハメド・アル・カティブさんは、水を汲むために3~4キロも荷車を引きずらなければならないと言う。
47歳のパレスチナ人スーパーマーケット経営者モハメド・ナサールさんは、健康上の問題や骨の損傷があるにもかかわらず、水道管からバケツに水を入れるために何キロも歩かなければならないと語った。
「痛みをがまんするのは、そうしなければならないからだ」と彼は言った。
ロイター