• ポンド急落の結果、多くの事業主が為替レートに合わせて値上げを始めた

ナジア・フッサーリ

ベイルート：レバノンは4日、ソーシャル・ディスタンシングの規制を緩和し、数週間ぶりに理髪店が営業できるようになった。

ベイルートでサロンを経営するHabib Khalifaさん（40）はアラブニュースに、「50日間髪を切っていなかった」客が来たと語った。「これまで仕事をしてきて、こんなに長い髪の男性がこの人数来たのは初めてです」。中には、隔離中に妻に髪を切られておかしな髪型になった人もいた。

「私たちは厳格な予防策と厳格な殺菌プロセスを適用しました」と彼は付け加えた。

「仕事でひげ剃りはしていません。隔離措置を段階的に減らすための回状にまだ含まれていないからです」。

多くのレストランも営業を再開し、営業時間を午前9時から午後9時までの間にしている。内務省は、客同士の安全な距離を保つため、レストランが客を入れるのは全客席の3割だけにすることを要請した。
理髪店同様、レストランはレバノンポンドの急落で苦戦している。

Khalifaさんは言った。「今日はお客様に高い料金を請求しませんでした。彼らは支払うことができませんし、私が使っている全ての物の価格が大幅に上昇したので、旧価格を維持することもできません」。

値上がりの原因は、現在の米ドルの購入価格が3900レバノンポンド（2.56ドル）で、4200レバノンポンドで売却されていることにある。認可を受けた両替商は、レバノンの中央銀行が設定した1ドル=3200レバノンポンドという価格を遵守しなかったことで数人が逮捕されたことに抗議して、ストライキの2週目に入っている。

国と金融機関が半破産状態にあることを踏まえて銀行自身がドル預金の「ヘアカット」を実行している中、人々は4日、レバノンポンドで給料を受け取るためにレバノン各地の銀行の前で長蛇の列に並んだ。

ポンド急落の結果、多くの事業主が為替レートに合わせて値上げを始めた。

ガソリンスタンドオーナー連合は、Raymond GHajjarエネルギー大臣に「ガソリンスタンドオーナーが受ける損失が大きいため、ガソリン価格を固定する」よう要請した。一方、レバノンのガス部門の労働組合および販売業者の組合長は、国内のガス販売のロイヤルティーを3000レバノンポンドから引き上げることを要求した。

政府は、レバノンが財政赤字や国際収支、その他の重要分野に取り組むために国際通貨基金（IMF）が行える支援について交渉を始めることを正式に要請し、IMFの回答を待っている。

この提案により、レバノンは、2018年のシーダー会議で約束された、援助国、世界銀行、アラブ諸国や外国からの資金に加えて、今後数年間で最大90億ドルを受け取ることになるだろう。

 援助国は寄付金を改革につなげてきたが、その中で最も重要なのは、無駄と支出の削減だ。
 4日、財政予算委員会には50人以上の国会議員が集まり、ガジ・ワズニ財務大臣とラウル・ネメ経済大臣が発表した政府の改革案に関する説明を聞いた。

一方、進歩社会党のワリド・ジャンブラット党首は、4日にミシェル・アウン大統領を訪問した後、同党の「自由愛国運動」との論争に照らして、「私たちは衝突を企てていますが、私はこのような大変不幸な状況で政府を変えようとはしていません」と述べた。

ジャンブラット氏は、「レバノンの以前の経済は終わりました。サービスはなくなり、コロナウイルス後、全世界は変わるでしょう。レバノンも同様です」と付け加えた。

保健省は4日、新たに3人が新型コロナウイルスに感染したことを発表し、感染者数は合計740人に増えた。新規感染者は全員、海外から帰国したレバノン人で、自宅隔離中だ。