
ベイルート: イスラエルの空爆で命を落としてから約5カ月、レバノンの過激派組織ヒズボラの長年の指導者ハッサン・ナスララ師の葬儀が日曜日に行われるため、数千人の支持者がベイルートに駆けつけた。
ナスララ師は9月27日、イスラエル空軍がベイルート南部にあるヒズボラの主要作戦室に80発以上の爆弾を投下した際に殺害された。イスラエルの標的による殺害の中では、ここ数年で最大かつ最も重大なものだった。
イランに支援されたシーア派グループの創設者の一人であり、30年以上にわたってヒズボラを率いてきたナスララ師の死は、彼が中東で強力な勢力へと変貌させたグループにとって大きな打撃となった。
ヒズボラは、米国とその同盟国の一部がテロ組織に指定しており、イスラエルとの最新の戦争では、軍や政治の最高幹部の何人かが殺害されるなど、大きな損害を被っている。
数日後、ベイルート郊外へのイスラエル軍の空爆で死亡した彼のいとこで後継者のハシェム・サフィエディーネ氏は、レバノン南部の故郷に埋葬される予定だ。2人は一時的に秘密の場所に埋葬されていた。ヒズボラは今月初め、2人の公式葬儀の計画を発表した。
ナスララ師の埋葬に先立ち、日曜日にベイルートのメイン・スポーツ・スタジアムで行われる葬儀には大勢の人々が集まると予想されている。
ヒズボラが国内のシーア派に絶大な支持を得ているイラクからのフライトは連日満席となっている。イラク運輸省関係者が匿名を条件に語ったところによると、この数日間で最大6000人がベイルートに飛んだという。
海外から到着した人々の中には、アメリカのコメンテーター、ジャクソン・ヒンクルもいた。彼は、ソーシャルメディア上で定期的に偽情報を拡散しており、特にロシアとそのウクライナ戦争を支持している。
「葬儀に参列できて光栄だ」と、ヒンクルは今週ベイルートに到着した後、ソーシャルメディアXに投稿した。
ヒンクルは、戦争で荒廃したレバノン南部の国境の村を訪れ、ヒズボラの旗を振っている写真を投稿した。
支持者に慕われ、シーア派やイスラム世界に多くの信者を持つナスララ師は、イスラム教の創始者である預言者ムハンマドに遡るシーア派聖職者の血筋を意味する敬称であるサヤイドの称号も持っていた。
しかし、レバノン当局はイランからの旅客機の搭乗許可を取り消し、葬儀への参列を希望していた数十人がテヘランで足止めされ、レバノンのヒズボラ支持者による抗議を引き起こした。
イスラエル軍が、イランが民間便を使ってヒズボラに現金を密輸していると非難したため、レバノンの一部の人々は、イスラエルからの脅威に直面して政府が屈服したと主張した。
イランから飛んでくると思われていた人々の一部は、イラク経由でレバノンにやってくるようになった。また、ナスララ師の葬儀に参列するため、この地域のイラン支援グループのメンバーもベイルートに向かった。
イランが支援するイラクのカタイブ・サイイド・アル=シュハダ・グループのスポークスマン、カジム・アル=ファルトゥーシ氏は金曜日に到着した。彼は、ナスララ師は 「父であり、司令官であり、自由について学ぶために毎日読んでいる本だ 」と語った。
米共和党のジョー・ウィルソン下院議員は、葬儀に参列する予定のレバノンの政治家たちを批判した。
「殺人テロリスト、ハサン・ナスララの葬儀に参列するレバノンの政治家は、イラン政権に同調することになる」とウィルソン議員はXで述べた。
AP