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ヨルダン川西岸地区ではキリスト教徒の復活祭が不安な空気に包まれる

イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区、パレスチナの町ザバブデのキリスト教学校を歩く生徒たち。(AFP=時事)
イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区、パレスチナの町ザバブデのキリスト教学校を歩く生徒たち。(AFP=時事)
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17 Apr 2025 01:04:10 GMT9
17 Apr 2025 01:04:10 GMT9
  • 絶え間ない恐怖があり、寝るときも起きるときも恐怖がある

ザバブデ:主にキリスト教徒が住むパレスチナの町ザバブデでは、ガザ紛争と並んで占領下のヨルダン川西岸地区で急増しているイスラエル軍の軍事作戦が、イースターの準備に影を落としている。

今年のイースターは、カトリック、正教会、英国国教会など、この町の主要なキリスト教コミュニティすべてにとって、珍しく同じ週末にあたるため、住民はデーツケーキを作ったり、スカウトのパレードの準備をしたりと、休日の伝統行事に忙殺されようとしている。

しかし、彼らの心は別のところにあった。

近隣のジェニンから数十家族がザバブデに避難し、今年、街と隣接する難民キャンプを荒廃させた絶え間ないイスラエルの軍事作戦から逃れている。

「先日、(イスラエル)軍がジェニンに入りました。人々はパニックになり、家族連れは子どもたちを迎えに走りました」と、ザバブデに住むジャネット・ガナムさんは語った。

イースター前の最後の四旬節の祈りに駆けつける前に、57歳の聖公会会員はこう付け加えた。

ガナムさんによると、彼女の息子は今年のイースターに彼女を訪ねることはできないと言っていたという。

ザバブデはヨルダン川西岸地区北部の丘陵地帯に位置する牧歌的な場所だが、イスラエル空軍のジェット機の轟音が教会の鐘の音をかき消すこともある。

この町の聖公会助祭であるサリーム・カサブレ氏は、「多くの人々が、『私はこの先5年間、自分の家に留まることができるだろうか』と考えるようになった」という。

「私の家は取り上げられるのだろうか?彼らは私の家を爆撃するだろうか?」

カサブレ氏は、この「存亡の危機」に加えて、ガザからのニュースに常に「憂鬱」を感じていると語った。ガザ保健省によれば、ハマスの2023年10月の攻撃に対するイスラエルの対応による死者数は、現在51,000人を超えているという。

ザバブデはガザにもたらされた壊滅的な被害を免れたが、市長室によれば、ハマスの攻撃後にパレスチナ人の労働許可が取り消されたため、450人近くの町民がイスラエルで職を失ったという。

「イスラエルはこの戦争が起きるまで、ヨルダン川西岸地区で我々を完全に閉ざしたことはなかった」と73歳の農夫イブラヒム・ダウドさんは言う。「何が起こるか誰にもわからない」

多くの人々が亡命の恐れにつきまとわれていると言い、海外に流出することで、キリスト教徒が聖地から消えてしまうのではないかという不安を煽っている。

60歳の数学教師タレク・イブラヒムさんは、「人々は仕事がなければここにいられないし、生活も楽ではない」と語った。

ガッサン・ダイベス市長も同じことを言った。

「キリスト教コミュニティが生き残るためには、安定と安全、そしてまともな生活環境がなければならない。これは現実であり、移住を求めるものではない」と彼は言った。

「しかし、私は生きた経験から言っているのです: かつてキリスト教徒はパレスチナの人口の30%を占めていたが、今では1%にも満たないのです」

「そしてこの数は減り続けている。私の家族には3人の兄弟がいるが、1人はドイツに、残りの2人はアメリカにいる」

カトリックのエリアス・タバン司祭はもっとストイックな態度をとり、自分の信徒たちの霊性はかつてないほど活気に満ちていると主張した。

「教会が苦境にあるときはいつも……(そのときこそ)信仰が成長しているのがわかるのです」とタバン司祭は語った。

AFP

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