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ラジャブがイスラエル・米国との合意終了を「戦略的」と述べる、各派閥が反応

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21 May 2020 10:05:25 GMT9
21 May 2020 10:05:25 GMT9

ダウド・クッタブ&ハゼム・バルーシャ

アンマン/ガザ市: パレスチナ解放機構(PLO)の有力者ジブリル・ラジュブ少将はアラブニュースに対し、パレスチナのマフムード・アッバース大統領の発表したイスラエルおよび米国との全ての合意を破棄する決定について、戦略的なものと語った。

アッバースは火曜のラマラでの演説中、パレスチナ自治政府が安全保障と統治に関する合意から自らを免除する意向であることを発表し、イスラエルは占拠しているヨルダン川西岸の一部を併合するベンヤミン・ネタニヤフ首相の決定に対し、責任を取らなくてはならないだろうと述べた。

「我々は戦略的な決定を行った。この決定を実行する仕組みを考案するために、長時間の会議を開こうとしている」と、ラジュブは述べた。「我々は引き続き地域の安定と世界の安全保障に貢献し続ける」

PLOの主要派閥で幹事長を務めるラジュブはアラブニュースに対し、同派閥の中央委員会が木曜に極めて重要な会議を開き、実施期間について話し合うだろうと述べた。「オスロ合意の代わりにPLOの役割が強化され、民衆による非暴力闘争がエスカレートすると確信している」

元PLO執行委員会メンバーのアサード・アブデル・ラーマンはアラブニュースに対し、「指導者たちは、我々を代表する機関であり最後の砦であるPLOの役割強化に同意する必要がある」と語った。アブデル・ラーマンは新たな選挙を行うのが良い考えであることを認めたが、現時点では実現不可能と述べた。「現在の状況と折り合いをつけ、組織を再び活気づける適切な動きを待つ必要がある」と言う。

アブデル・ラーマンは、イスラエルが全てのパレスチナ指導者たちの中でも最も中道的な人物と生産的に協力するチャンスを無駄にしたと付け加えた。「アッバースはイスラエルが何十年もの間折り合いをつけてきた最も中道的な指導者。彼らはこの方向にアッバースを押しやることでとんでもない過ちを犯している。我々の土地に対するイスラエルの侵害は、誰も受け入れることができない国際的なスキャンダル以外の何ものでもない」

『パレスチナ国際法年鑑』の発行者アニス・F・カシムはアラブニュースに対し、パレスチナの指導者たちは代替案なしにイスラエルとの合意を破棄することで、全ての正統性を失う危機に直面していると語った。「指導者たちは公衆に由来する正当性を回復するための何らかの方法を、迅速に見つける必要がある。もはや、イスラエルおよび米国と締結した合意からは、その正当性を主張することができないからだ」と、カシムは警告した。

「支配層エリートは正当性を失った。彼らは大衆から支持されておらず、いくらかの正当性を与えていたオスロ合意も失ってしまった。次回徴税を行う際に、人々は何に基づいて税金を支払うべきか疑問を持つだろう。もし彼らの決定が本物であるなら、人々の支持を取り戻す方法をすぐに見つける必要がある」

カシムは、政権の座にある者たちは当面の間「暫定的な管理組織」のようなものを運営することができるかもしれないが、「法的なブラックホール」を避けるために、組織内選挙かパレスチナ民族評議会選挙、またはその両方を行う必要があると述べた。

元パレスチナ交渉チーム法律顧問のダイアナ・ブツはアラブニュースに対し、本当のテストは国際社会の反応だろうと語った。「オスロ合意がなくても世界がパレスチナを引き続き支援するかどうかが問題」

その一方で、アッバースの決定はガザ地区でさまざまな反応を引き起こした。

ハマスはそのスタンスに従ってこの決定を考慮し、現場での実施を要求した。

「オスロ合意、およびそれに伴う安全保障と政治的な協定、中でも占領軍との安全保障上の連携からの全面的離脱の宣言は、明確で具体的な段階を通して現場で実施する必要がある」と、ハマスは声明で述べた。

「この傾向が、27年前の脅迫的なこの合意からの抵抗運動の位置づけと抵抗勢力の正当性を裏付けている」と、声明は付け加えた。

交渉はばかげていると言うハマスはパレスチナの指導者たちに対し、さらなる交渉の受け入れを控えるように強く促した。

「併合計画と『世紀の協定』に対峙するには、パレスチナの派閥指導者たちと全ての大衆勢力によって合意された統合的な計画を通した、あらゆるレベルでの国家的な闘争が必要と、ハマスは確信している」と、声明は付け加えた。

パレスチナ解放民主戦線(DFLP)はこの決定への支持を表したが、その効果的な実施を要求した。

「この決定を実行するには、一連の手続きと段階を遅滞なく、特定の期間内に進めることが求められる」と、DFLPは声明で述べた。

PLOに対しては、「イスラエルが1967年6月4日の国境に基づいてエルサレムを首都とするパレスチナ国家を認めるまで、イスラエル国家の承認をただちに撤回」するように求めた。

イスラエルは入植と併合計画も中止しなければならないと、声明は付け加えた。

DFLPと関係のあるライターのズルフカル・スウィルホは、アッバースの声明は決定的なものではないと述べた。特に、この決断は全てのパレスチナ人派閥に提示されていないからだという。

「この声明は、これから起こるあらゆる問題に立ち向かうために、パレスチナの政治体制の団結を復活させることについては触れられていない」と、スウィルホは述べた。

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