
アラブニュース
ロンドン:ベーカー公共政策研究所の最新の報告書によると、ホワイトハウスの和平案がパレスチナ独立国家から拒絶されることはほぼ確実で、イスラエルと国際社会の距離をさらに遠ざけることになりそうだ。
中東の和平と安全を研究する同研究所のフェローで元イスラエル政府高官のギリアド・シェール氏は、この和平案は「パレスチナ独立国家に不合理で非現実的な条件を付けている」と記した。
シェール氏は「パレスチナがまったく和平計画や協定の実施にまったく関わっていないことを考えると、現在の協定は紛争を解決するための推進力にはなりません」と述べた。
「むしろ、イスラエル右派がユダヤ・サマリア地区(ヨルダン川西岸)での存在を維持しようとしており、両国の境界線はさらに曖昧になるでしょう」
1月28日にドナルド・トランプ大統領が発表した米国の和平案は、ヨルダン川西岸の主要な地域をイスラエルに引き渡すというもので、パレスチナ国家をバラバラにするような構想だ。
また、この和平案は境界線、エルサレムやユダヤ人入植地の地位など重要な争点において、イスラエルに有利な内容となっている。
この提案では、パレスチナに「ほぼ彼らがすでに持っているもの」を提供するだけで、イスラエルは「国際的に悪者扱いされ、社会的な混乱につながる」おそれがあるとシェール氏は記している。
さらにこの和平案は問題のある境界線を作るだけでなく、「混合人種をさらに巻き込むことになり」摩擦を生むという。
この和平案は過去のイスラエルとパレスチナの交渉内容を破棄しており、政策に一貫性を欠いているが、シェール氏は今後何年も交渉は続くと見ている。
しかし、イスラエルが大幅に自制しなければ、再編に失敗し、資源豊富なパレスチナの主導権を失う可能性があると言う。
パレスチナ自治政府、アラブ連盟、イスラム協力機構はすべてこの和平案を拒否している。