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レバノン、軍の強行措置で宗派間の抗争を克服

2020年6月6日、ベイルート中心部での抗議デモに続く衝突の中、デモ隊を退散させるために前進するレバノン軍兵士。(AFP)
2020年6月6日、ベイルート中心部での抗議デモに続く衝突の中、デモ隊を退散させるために前進するレバノン軍兵士。(AFP)
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08 Jun 2020 05:06:34 GMT9
08 Jun 2020 05:06:34 GMT9

ナジア・フーサリ

ベイルート: 暴力の夜が明けた日曜、ベイルートとレバノンの他の地域は静けさを取り戻した。軍は「国民の団結」を危険にさらす混乱を国にもたらす行為に対して警告を発している。

アマル運動やイランが支援するヒズボラの支持者が崇拝されている宗教的人物を侮辱する動画がソーシャルメディアで拡散されたことを受け、ベイルート中心部やその他の地域で暴動が発生した。

一夜にして25人の兵士が負傷した。レバノン軍は声明を発表し、「国家の安全」を脅かす者に対して行動を取ることを約束した。

土曜日には反政府デモを復活させようとする試みが、すぐに対立宗派同士の暴動や投石に発展し、機動隊はデモ参加者に対して催涙ガスを使用した。対立するグループを引き離すためにバノン軍が投入され、日曜日の夜明け前に緊張はようやく収まった。

デモ参加者らはまた、ヒズボラの武装解除を求めている。軍の声明によると、シリア人4人、パレスチナ人1人、スーダン人2人の計7人が暴動の容疑で逮捕された。

すべての政党と宗教団体は宗派間の事件を異口同音に非難し、争いの封じ込めを試みている。

ミシェル・オウン大統領は、すべての政党に加え、1975年から1976年の出来事を経験した政治的・宗教的指導者と市民に対し、国民の結束を守るために、このような対立について可能なあらゆる対策を講じるよう働きかけている。

オウン大統領はこう警告している。「安全保障が後退したとしても、誰の利益にもならないでしょう」と警告した。

弁護士会のメレム・カラフ会長は次のように述べた。「無意味な17年間の戦いや、20万人の死者、そして100万人が家を追われたのでは不十分だったのでしょうか?」

街頭やソーシャルメディア上で、市民の抗議デモ中に起きたことに対する怒りと嫌悪感を表明されるなか、日曜日にベイルートの米国大使館の外で行われる予定だった抗議デモが中止されたことが発表された。

ヒズボラ支持者によって実施される予定だったデモは、レバノンの内政に対する米国の干渉を糾弾するものだった。

開発・公共問題の研究者であるジアード・アブデル・サマド博士は、アラブニュースにこう語った。「確かに、人々は起きたことに反発しているますが、それにより、権利を要求するデモが再び発生することを防ぐことはできません」

彼はこう語った:「土曜日に再開された運動は、10月17日の革命の続きです。人々は自由に要求を声に出しています。その多くは経済に関するスローガンを掲げていますが、一部がヒズボラの武装解除を求めたとしても、それを裏切り行為として非難するべきではありません。土曜日のデモに驚いた当局は暴力で対応することに決めました。これは、ヒズボラの軍事勢力が未来運動やレバノン山の進歩的社会党と衝突した後、ベイルートの支配権を奪取した2008年5月7日にやったことを繰り返すことができると釘を刺すものです。その当時、およそ100人の人々が殺害されました」

アブデルはこう付け加える:「土曜日に起きたことはチュニジアで起きたことと同じで、新しい選挙法を起草できる権限を持つ政府の樹立を要求し、圧力を加えることに取り組む市民運動を排除することはできないでしょう」

彼はこう語った:「現政権は何も成し遂げることができません。政府と国際通貨基金(IMF)との交渉でさえ、真剣なものではありませんでした。政府、特にヒズボラは、国の経済を救うためにこのような手段に頼ることを望んでいないようです。彼らは独自の選択肢、すなわちイランに頼りたいのです。このような意味で、ヒズボラにとってレバノンはどうでもいい存在なのです。国を支配できなければ、灰燼に帰しても構わないと考えています。

公共問題の専門家で活動家のワリド・ファクレディン博士はアラブニュースにこう語った。「ヒズボラは10月17日に抗議デモが始まって以来、4〜5回このような緊張状態を引き起こしています。しかし、ハッサン・ディアブ政権下では初めてのことです。これはディアブ政権が危機に陥っていることを意味しています。ヒズボラが政権を交代させたい場合のやり方なのです」

ファクレディン博士はこう付け加える。「一方で、誰もヒズボラに立ち向かう準備はできていません。ディアブ政権は政権の座を維持することができず、経済崩壊を防ぐための資金を確保することはできないと思います」

彼は、土曜日に起こったことが何であれ、それはヒズボラの武装解除を求めるデモ参加者の要求に対するものだと述べる。「なぜなら数日前、ベイルートの司法宮殿の外で同じ要求を掲げた別のデモが行われましたが、そのときヒズボラは対応を取らなかったからです」

彼はこう付け加える:「ヒズボラは、人々が威圧され、パンデミックに見舞われているにもかかわらず、デモに参加したことに驚いたと思います」

政治アナリストのガッサン・ハジャール氏はアラブニュースにこう語った。「新しいことが起きました。これは10月17日の続きではなく、新たなステージの始まりを告げるものです」

「ヒズボラがこれまで以上に危機に陥っているのは、自らに対する脅威が増大し、直接的なものになっていると考えているからです。市民運動はヒズボラを標的にし、その武装解除を求める声を上げています。ヒズボラは、イランの枢軸を引き裂いている組織が地域にもたらしている動きを恐れています」

「土曜日に勝った者はいません — 政府でもヒズボラでもデモ隊でもありません。誰もが負けました」と彼は付け加えた。「ディアブ政権を倒すためにこのような衝突が必要だとは思いません。政権を倒すにはヒズボラの政治的決断が必要です。政権交代の話が出ているのは事実ですが、それはヒズボラが、サード・ハリリが政権を率いてスンニ派を支配するために復帰できると確信できた場合にのみ実現するでしょう」

「ハリリの政権復帰は、スンニ派の支持が得られず敗北を重ねている自由愛国運動(FPM)の利益となります。FPMが共和国大統領の座につけば、シーア派の支持だけでは不十分になります。しかし、ハリリとの合意には至っていません」

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