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レバノンの食品市場を襲うカオス、商人たちが店を閉める可能性

27 Jun 2020
ベイルート北部の港街トリポリのアパートで、空っぽの冷蔵庫の横に立つレバノン人女性。2020年6月17日。(AFP)
ベイルート北部の港街トリポリのアパートで、空っぽの冷蔵庫の横に立つレバノン人女性。2020年6月17日。(AFP)
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Updated 27 Jun 2020
27 Jun 2020

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノン中央銀行総裁が金曜、闇市場に出回っているハードカレンシー(国際決済通貨)の量が非常に限られていると述べた。

バンケ・デュ・リバン(レバノン中央銀行)総裁のリアド・サラメは、「これまで市場への米ドルの注入が、米ドルに対するレバノンポンドの為替レートを1ドルあたり3,850レバノンポンドで安定化させてきた」と述べた。

サラメの発言は、バンケ・デュ・リバンがレバノンポンドに対する米ドルの為替操作を行うために「サイラファ」電子プラットフォームを立ち上げたタイミングで行われた。

食品および基本商品市場は、闇市場のドル相場が1ドルあたり7,000レバノンポンドに達したことで、異常なほど厳しい状況に直面している。一方で公式な為替レートは通常と変わらず、1ドルあたり1,515レバノンポンドである。

レバノンのミシェル・アウン大統領は慈善団体代表団との会合中、「この国の能力は今、非常に限られている」と宣言した。

開発問題の専門家であるナセル・ヤシン教授は、「1ドルあたり7,000レバノンポンドの為替レートに基づき、レバノンの平均給与額は月に約1,333ドルから279ドルまで大幅に減少」したと述べた。

ヤシンはアラブニュースに対し、レバノンの平均給与は今、この地域のイランとシリアを除く他の大部分の国の平均給与よりも低くなっていると話した。これまではレバノンの方が地域の他の全ての国よりも高かった。

金曜、食料品店やスーパーマーケット、レストラン、肉屋のオーナーたちが、ドルの為替相場が急騰しているせいで、一時的に店を閉めた。そのため人々は、食品や商品を買えなくなった。

「売上が70%落ち込みました。レバノンはシリアから羊肉を買っており、羊肉を売っている大半の業者はシリア人です。彼らは今、これまでレバノンポンドで行われていた支払いを米ドルで行うように強く求めます。レバノンポンドでの支払いを受け入れる場合でも、闇市場での米ドルレートを適用しています」と、ショイファットの大きな肉屋のオーナーであるムハンマド・バヤンは述べた。

羊肉1キロあたりの値段は24,000レバノンポンドから85,000レバノンポンドに上がり、牛肉は1キロあたり17,000レバノンポンドから50,000レバノンポンドに値上がりした。

レバノンは羊肉をオーストラリアから、牛肉をブラジルやオランダ、その他の欧州諸国から輸入している。

バヤンは、「羊肉を買っていた人はみんな、今は牛肉を買っています。そして1日2キロの肉を買っていた人はみんな、今は250グラムしか買っていません」と言う。

ベイルート南部の郊外で肉屋を営むアッバス・アリ・スリームは、「肉屋たちは今ある在庫を売りつくした後は、肉の販売を中止することに決めた」と話す。

「人々の購買力が落ち、5,000レバノンポンド相当の肉を買いたいと頼む人々がいます。1ドルにも及ばない金額です」と、彼は述べた。

抗議者たちは引き続きさまざまな地域でデモ行進を行い、悪化している経済状況とドル相場の高騰に抗議して交通を妨害した。金曜には大勢の抗議者たちが社会問題省に突入し、ラムジ・ムシャラフィエ社会問題大臣との面会を求めた。同大臣はこの時、不在だったことが判明している。

「同省は公共施設であり、彼らには中に入る権利がある。特にこのような特殊な状況において同省が担う役割は非常に重要であり、同省は市民に対してその義務を果たしていないため、なおさらである」と、抗議者たちは声明の中で述べた。

「商売人たちは食品を買うための米ドルの確保が困難なことに苦しんでいます。状況は依然として変わっておらず、今後数ヶ月の内に危機が訪れるかもしれないという懸念を引き起こしています」と、食品・日用品・飲料輸入業者連合の会長ハニ・ボーサリは言う。

ボーサリは次のように述べる。「商売人たちはドル相場の高騰と商品価格を固定できないことで被る、毎日の損失に耐えています。そのため彼らには2つの厳しい選択肢が突きつけられています。商品価格を上げて非常に高価にするか、あるいは米ドル相場がさらに変動すれば50%に達する可能性もある損失を覚悟で販売するか、どちらかです。この問題はもはや利益を出すこととは関係ありません。商売人たちにとっては、損をして販売するよりも店を閉める方が良いかもしれません」

慈善団体カリタス・レバノンの理事長ミシェル・アブード神父は金曜、ミシェル・アウン大統領と面会し、「子どもたちが食料を求めてカリタスに来ている一方で、新たな貧困階級が出現している。彼らはかつてカリタスに寄付をしてくれていたが、今は助けを求めている。レバノンは悲惨な状況」と警告した。

一方で内務大臣のモハメッド・ファミーは、「ここ数週間、レバノンの困難な経済状態と厳しい生活状況のせいで窃盗やスリが増加した。国内治安部隊が最善を尽くしてこの現象に対応している」と述べた。

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