
アラブニュース
テヘラン/パリ:イラン警察は7月17日、イラン南部で経済的苦境への抗議で「規範破壊」のスローガンを唱える群衆の抗議活動を強制的に追い払ったと述べた。
呼びかけに続いて7月16日午後9時に、少数のベフバハン市民が経済状況への抗議活動で集まった」とモハマド・アジジ・ベフバハーン市警察部長は述べた。
当初警察は群衆と話し合おうとしたが、「しかし彼らは立ち去ることをしなかったばかりか、規範破壊とのスローガンを大声で唱え始めた」と部長は述べた。イラン当局が反体制派のスローガンとして使う常套の文句だ。
治安部隊は抗議活動を「断固とした態度」で追い払ったと彼は述べ、犠牲者や物的損傷を出すことなく「平穏」を取り戻したと付け加えた。
イランの革命防衛隊は、7月16日に無数の「扇動者」を逮捕して「テロ集団」も崩壊させたと述べた。
マシュハド市で逮捕された者たちは「反革命集団との繋がり」を持ち、街の抗議活動を呼びかけていたという。
シラーズ市では、「反体制破壊活動」を阻止すべく、政府が狂信的テロ集団と認定して国外追放したムジャヒディンハルク(MEK)のメンバーたちを拘束したと革命防衛隊は発表した。
信憑性は確認されていないがSNSには、フゼスタン州の都市の通りに何十名もの市民が集まっているらしい画像や動画が投稿された。
ウェブのシャットダウン状況をモニタリングするサイトのネットブロックスは、抗議活動の時間帯にはフゼスタン州で3時間ほどネットアクセスが制限され妨害を受けていたと述べた。
イラン経済は、2018年にドナルド・トランプ米大統領が画期的な核合意を一方的に離脱してイランに再び経済制裁を課して以来、著しく収縮している。
一方で、国外追放されたイランの反体制派グループは7月17日に年次会議をオンラインで開き、「蜂起」と国の体制変革を強く呼びかけた。
イラン政府からは非合法とされ、欧州や米国に著名な支持者をもつイラン抵抗国民会議(NCRI)は、アルバニア基地で数十名のみが集まって会議を開催したが、他にも何千名ものオンライン参加があったとしている。
アルバニアの「アシュラフ3」基地で開催されたこのイベントは、フランスに拠を置くNCRI指導者のマリアム・ラジャビ氏が、出席者や外部から接続した何百というスクリーンのなかのゲストたちの前に立って直に演説をした。
「私たちの第一の誓約は、イラン国民および抵抗国民会議が聖職者政権を打倒してイランを取り戻すことです」と彼女は述べた。
「最終結論は、イスラム律法学者たちにはなんの解決策もなく、彼らの政治体制はすべて失敗に終わる運命にあったということです」と述べた。
ラジャビ氏は、抵抗国民会議には現場活動の支持者がいてイランでのイベントを記録に留めていると主張し、「これらの活動が蜂起の火付け役となります。彼らは命を犠牲にして蜂起の火種を灯し続けているのです」と述べた。
ラジャビ氏のメッセージに対し、マシュー・オフォード英国会議員、フィリップ・ゴスラン・フランス国会議員、アンナ・フォティガ元ポーランド外相などを含む外国の演説者たちが同調した。
しかし最も注目を集めた人物は、ドナルド・トランプ米大統領の顧問弁護士であり元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏だった。彼はNCRIのイベントにこれまで何度も出席してきた。
「現政権はまさに破綻しようとしている」と彼はズームを通して宣言した。「イランの体制変革は現実的になっている。悲観主義者たちの言うことに耳を傾けてはならない」と彼は述べた。