
バグダッド:火曜日にイラクのデモ隊と警察の小競り合いが首都で夜通し起こり、その最中デモ参加者の1人が催涙弾に撃たれて死亡したと、医療と治安筋が述べた。
今回の衝突は、ムスタファ・アル・カーズィミー首相が治安部隊に「1発も発砲」しないように指示した数時間後に起こった。バグダッドでは月曜日の朝に別の2人のデモ参加者が死亡している。
しかし、その後月曜日の夕方までに、首都の主要な反政府デモの拠点となっているタハリール広場では、再び衝突が始まった。
「男性は頭と胸を撃たれました。ほかに12人以上が負傷しました。彼は集中治療室で治療を受けていましたが、今朝亡くなりました」と医者は述べた。
デモは日曜日の夜にバグダッドと南部のいくつかの都市で始まり、参加者たちは貧弱な公共サービスに対して激しい怒りを表した。イラクでは気温が摂氏50度(華氏122度)を超えたことでエアコンの使用が増加した一方、送電網が老朽化のためそれに対応できなかったことが怒りの原因だ。デモは首都で急速に暴徒化し、警察はデモ隊を追い払うためにやむをえず催涙弾を発射した。弾は弧状に威力を弱めて発射されたが、2人の男性に直接当たり死亡した。
今回死者が出たことで、10月にバグダッドとイラク南部で起こった政府の汚職と失政に対する前例のないデモが再燃する恐れがある。
この一般大衆から盛り上がったデモで起きた暴力で約550人が亡くなり、3万人以上が負傷した。これにより、当時のアーディル・アブドゥルマフディー首相が辞任した。
アブドゥルマフディー氏は治安部隊の行動について責任を問われ、広く批判された。5月に新しく首相となったカーズィミー氏は、アブドゥルマフディー氏の失敗を繰り返さないと誓っていた。
カーズィミー首相は、デモ参加者が死亡した件の調査と、デモ運動の参加者と対話することを約束した。この運動は、地政学的な緊張の高まりと新型コロナウイルスのパンデミックの中で大幅に弱まっていた
AFP通信