ロンドン ― トム・ グラウス
アラブ人にとって日本製品は高品質の代名詞であることが、アラブニュースとYouGovが最近実施したアンケート調査で明らかになった。
中東と北アフリカ(MENA)の居住者を対象とした調査では、日本、中国、韓国、米国を、それぞれが生産する製品の品質の観点からランク付けした。
アラブ人回答者のうち71%は日本を1位に挙げ、続いて米国、韓国、中国が、それぞれ2位、3位、4位を獲得した。
これは多くの意味で、驚くに当たらない調査結果だったといえる。中東では日本と日本製品の評判が行き渡っており、アラブ人の多くが同国とその国民についても良い印象を抱いている。日本人がどのような特徴を持つかを問う質問に対しては、回答者の大半が「勤勉である」、「しっかりしている」、「時間を守る」と答えた。
調査ではさらに、MENA地域の居住者の間で最も知名度の高い日本ブランドはソニーであることが判明し、回答者の60%は同ブランドが日本のものであると正しく回答した。この割合は40歳以上の年齢層で特に高く、78%がソニーを日本企業と正しく認識していた。
調査結果によれば、2番目にアラブ人に対して知名度が高い日本ブランドは、小売企業の無印良品であった。回答者の32%は同社を日本企業と正しく回答できた。無印良品は特に女性と若者に対する知名度が高く、男性のわずか28%に対し、女性の40%は日本企業と正しく答えていた。
特に回答者のわずか19%しか任天堂を日本企業と認識していなかったことを踏まえると、回答者の多くが無印良品を日本ブランドとして正しく認識していたことは注目に値する点かもしれないが、驚くべきことではない。アンケート調査の対象になった企業以外にも、近年、日本では無印良品やユニクロなどの「ファストファッション」企業が、輸出企業として業績・成長率の点で上位に躍り出ている。2015年2月に3店舗だったアラブ首長国連邦のユニクロ店舗は、今では7店舗にまで増えている。
アラブ人消費者によるこうしたブランドへの評価の高さや、日本ブランドであることの認知度の高さが、中東において高品質な日本製品への評判に寄与していることは明らかである。
ユニクロは、様々な指標でブランドの認知度を測るYouGovの「2019 Global Brand Health Index Top 20」に掲載された数少ないアパレル小売業者のひとつである。
アラブ人消費者が日本製品の品質の高さから、日本にとってプラスの誤解をしていることも調査で判明した。回答者は少なからぬ割合で、韓国ブランドのサムスン(22%)とLG(24%)を日本ブランドと誤って認識していた。
こうした誤解が興味深いのは、中東の消費者がいかに日本製品の質の高さを評価しているかを物語っているからである。
サムスンはYouGovの「UAE 2019 Brand Index」で3位を獲得し、「2019 Global Brand Health Index Top 20」ではいずれの日本企業にも勝る4位を獲得した上、LGも後者にランクインするなど、両韓国企業は中東において高品質ブランドと評されている。
アラブ人が製品の品質で日本を1位に挙げ、韓国を3位に挙げたことを踏まえると、アラブ人の多くがサムスンとLGを韓国企業ではなく日本企業と誤解していることは歓迎すべき点だ。なぜなら日本が品質の高さの観点で、韓国より遥かに高い認知度を持つことを意味しているからである。