
ベイルート:当初の捜査から、8月4日(火)の大爆発の原因として、ベイルート港での非常に起爆性の高い物質の保管について何年もの間職務不履行及び怠慢が あったことがわかり、この事故で100人以上の死者が出た、とこの事件に詳しい当局者は言う。
この日の首相の発表によると、肥料や爆発物の製造に使用される硝酸アンモニウム2,750 トンが、この港で6年間にわたって安全対策を施されないまま貯蔵されていたという。
「職務怠慢だ」と同当局者はロイターに語る。そして、その倉庫の安全性に問題があったことは以前から委員及び裁判官が周知していたにもかかわらず、非常に可燃性の高い物質を除去あるいは廃棄させる命令を出すような「対応が何もされなかった」と続けた。
港の第9倉庫で発生した火災が第12倉庫へ広がり、そこに硝酸アンモニウムが貯蔵されていた、とその当局者は言う。
8月4日の大爆発はベイルートにおける史上最大規模のものとなった。ベイルートは今なお30年前の市民戦争による傷跡が癒えておらず、何十年にもわたる不正と経済的な管理不行き届きに端を発する根深い財政危機にみまわれている。
8月5日(水)にレバノン関税局のBadri Daher局長が放送局LBCIに語ったところによれば、関税局としては、その物質が危険をはらんでいるという裁判所からの警告に対し、6部の書類を送付してきたという。
「我々(関税局)はその物質を再輸出するよう要請したが、それが行われることはなかった。その理由については専門家と関係者に任せる」とDaher 局長は言う。
港湾職員に親しい別の関係者によると、半年前に硝酸アンモニウムを検閲したチームは、その物質を除去しなければ「ベイルート全体が木っ端微塵に吹っ飛ぶことになる」と語っていたという。
ロイターが入手した2部の書類によると、レバノン関税局は2016年と2017年に裁判所に対して、貨物船ローサスから荷揚げされて第12倉庫に貯蔵されているその硝酸アンモニウムを「該当する海運業者」に再輸出または販売認可させ、港の安全を確保するよう要請している。
関係書類の一部には、2014年と2015年にも同様の要請が行なわれていることが記されている。
「この事故の規模と当物品がこの港へ荷揚げされた経緯を考えると、国内外での調査が行われる必要がある」と前副首相でレバノン軍団党員のGhassan Hasbani 氏は 言う。
訴訟事例に関する業界ネットワークShiparrested.comは2015年の報告書の中で、モルドバ国籍として航行する貨物船ローサスは、2,750 トンの硝酸アンモニウムを積載してジョージアからモザンビークへ航行中に技術的問題に直面し、2013年9月にベイルートに入港したと記載している。
それによると、検閲後同船は航行を禁止され、その後まもなく船主に遺棄されて、様々な債権者たちが訴えを起こしてきていたという。
さらに、「船内に硝酸アンモニウムが積載されている危険性を鑑みて、港湾当局はその貨物を港の倉庫へ荷揚げした」とも書かれている。
–ロイター