
ベイルート: シリア北東部の難民キャンプで働く医療従事者3名が新型コロナウイルスに感染したと、8月6日に国連が発表。広大なテント都市で初の感染者が確認された。
アル・ホール難民キャンプには何万人もの人々が暮らしており、なかにはISIL(イスラム国)戦闘員の親族もいる。
シリア北東部のほぼ全域を支配するクルド人自治政府がこの難民キャンプを運営している。この地域全体では新型コロナ感染者が54名発生しているという。
「8月3日に、アル・ホール難民キャンプで3名の医療従事者がPCR検査陽性と判明したようです」と国連人権問題調整事務所(OCHA)の報道官が述べた。
「接触者の追跡調査が進行中です。予防策として、防護具を着用した重要なスタッフのみキャンプ内での活動を許可しています」とデイビッド・スワンソン報道官は語った。キャンプの保健当局者は、感染した3名のスタッフがアル・ホールのクルド人赤新月社(赤十字社のイスラム教国版)と共に活動していたと述べた。
「ウイルスが、診療所を訪れるキャンプ居住者に広がった恐れがあります」と語った。シリア北東部で活動するクルド人赤新月社の最新のコロナウイルス感染者数は9名にのぼったと、同団体のボランティアスタッフが語った。
9年におよぶ内戦でシリア中の医療提供体制が大きなダメージを受けたが、北東部は特に危機的状況にある。クルド自治政府当局はほぼ単独でコロナ禍に対処せざるを得ない状況にあるからだ。
このため、どんな疫病が発生してもあっという間にクルド人自治区全域が侵されかねないとの懸念が生じている。
AFP