
エルサレム:ベンヤミン・ネタニヤフ首相の汚職疑惑とコロナ禍での対応に怒りが高まり、8月8日に何千人ものイスラエル人がエルサレムにある首相の邸宅の外に集まった。
デモの参加者は「あなたはもう終わりだ」と、抗議現場の建物に投影された巨大な手紙を読んだ。デモ隊はイスラエルの国旗を振り、パンデミックの影響から雇用と企業を守るのに失敗したとして、首相に辞任するよう求めた。
抗議デモはここ数週間で激化しており、評論家はネタニヤフ氏が、本人は不正を否定している汚職事件に気を取られていると非難している。
接戦した選挙で5月に5期目の首相に就任したこの右派の指導者は、民主主義を踏みにじるものだとデモの参加者を非難し、また反対意見をけしかけているとイスラエルのメディアを非難した。
抗議デモはエルサレムにあるネタニヤフ氏の公邸を超えて広がり、多くのイスラエル人が国中の橋や高速道路のジャンクションに集まった。
イスラエルの商業の中心地テルアビブの北にある交通量の多い高速道路の陸橋では、デモ参加者が黒い旗を振ってスローガンを唱え、下の道路の車がクラクションを鳴らして抗議した。
デモ参加者の1人であるヤエル氏は、テルアビブのレストランの職を失い、政府の援助は遅れていると語った。
「このような一生に1度の危機の状況にあるのだから、ネタニヤフ氏は行動を起こすだろうと思うかもしれません。しかし、実際には彼は有効な対策をしていません。もう我慢できないです」と彼女は語り、名前を出すのは拒否した。
イスラエルは5月に感染症の流行を抑えていた部分的なロックダウンを解除した。しかし、COVID-19の急増の第2波とそれに続く規制により、ネタニヤフ氏の支持率は30%以下に急落した。
その後、多くの規制が解除され、経済活動は復活したが、失業率は21.5%とほとんど変わらず、2020年の経済は6%縮小すると予想されている。
ロイター通信