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米政府請負業者、レバノンの港湾当局に化学物質の危険性について警告

国旗に身を包み、べイルート港で破損した穀物サイロを眺めるレバノンの若者。2020年8月11日撮影。(AFP)
国旗に身を包み、べイルート港で破損した穀物サイロを眺めるレバノンの若者。2020年8月11日撮影。(AFP)
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12 Aug 2020 07:08:04 GMT9
12 Aug 2020 07:08:04 GMT9

ワシントン:数十人の死亡者と数千人の負傷者を出したベイルート港爆発の約4年前、米国政府の請負業者がレバノンの港湾当局に、揮発性化学物質が安全な方法で保管されていないことについて懸念を表明していた。火曜日に米政府高官が明らかにした。業者の懸念は先週、壊滅的な爆発によって現実となった。

請負業者がこの懸念を米国政府の誰かに伝えていた形跡はない。

業者のアセスメントについては、4ページにわたる米国務省の公電に短く述べられていた。公電についてはニューヨーク・タイムズ紙が最初に伝えた。

機微であるが非分類とのレッテルが付けられたこの公電は、主に爆発に対するレバノンの対応と、発火して巨大な爆発を引き起こした硝酸アンモニウムの生産国や性質について扱っていた。だが、8月4日の爆発後、2013年から2016年まで米軍との契約の下でレバノン海軍に助言を行っていたという人物が、国務省に「自分は安全対策について港湾施設検査を実施し、その際に硝酸アンモニウムの貯蔵が安全でないことを港湾当局に報告していた」と述べたことについても言及されていた。

硝酸アンモニウムに関する懸念について、レバノン政府は致命的な爆発が起こる以前から承知していた、と米高官は述べた。

名前は公表されていないが現在は米国務省の職員としてウクライナを拠点に働くこの請負業者は、以前レバノン海軍隊員の指導役としてレバノンに赴任したことがある。米高官によると、この業者はレバノン赴任中の2015年か2016年に、港湾当局の要請で施設の物理的安全性をその場でさっと調べたことがあるという。業者の名前は公表されなかった。

予定されている公式声明を控えた米高官が匿名を条件に話したところでは、港湾・海上治安分野の経歴を持つ請負業者は、港湾管理について防犯カメラのカバレッジなどの側面に弱点があることを指摘したが、安全性についての評価は行わなかったという。

同高官によると、硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫内で、請負業者は、換気不良や物理的安全対策の不全といった問題に気づき、それを付き添いの港湾当局者に伝えた。港湾当局者がこの懸念を上司に報告したかどうかは明らかにされていない。

何千トンという硝酸アンモニウムが6年以上も倉庫に保管されており、どうやらそれを政府高官や軍事関係者は知っていたことになる。1週間前の火曜日に起こった壊滅的な爆発により、少なくとも171人が死亡した。そしてこれにより、レバノンはより深い政治危機に陥った。

請負業者は、ノースカロライナ州フォートブラッグに本部を置く米軍のSecurity Assistance Training Management Organization(USASATMO、安全保障援助訓練管理組織)で働いていたときに、軍艦交通システムや小型船舶の操作についてレバノン軍の隊員に指導を行った。その指導プログラムの一環として、業者のクラスはベイルート港を訪問した。港湾当局者がこの業者に検査を頼んだのはそのときだった。米高官によると、検査は45分ほどで終わったという。

米国はレバノンとの間に緊密な安全保障関係を持つ。米国務省によると、米国政府は2006年以来、レバノンに17億ドル以上の安全保障援助を提供している。この援助は、レバノン軍が国境の治安を確保し、国内の脅威に対処し、国家の領土を守れるよう支援することを目的としている。

昨年9月、米海軍の軍艦、誘導ミサイル駆逐艦「USSラマージュ」がベイルートを訪れた。当時の米軍が伝えたところでは、米軍の軍艦がベイルート港を訪れたのは36年ぶりのことだったという。

AP

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