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アディブ首相指名候補が1ヶ月で辞任、レバノン危機が深刻化

2020年9月26日、レバノンのバーブダにある大統領官邸で演説するムスタファ・アディブ首相指名候補。(ロイター)
2020年9月26日、レバノンのバーブダにある大統領官邸で演説するムスタファ・アディブ首相指名候補。(ロイター)
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27 Sep 2020 11:09:33 GMT9
27 Sep 2020 11:09:33 GMT9
  • ムスタファ・アディブ氏が組閣を断念し辞任、レバノンは8カ月で3人目の首相を失う
  • ヒズボラは政治的妨害行為と「レバノンを外国の思惑の人質にしていること」で非難されている

ナジア・フッサーリ

ベイルート:土曜日、イランが支援する党派による組閣の試みへの妨害を受けて、ムスタファ・アディブ氏が辞任したことにより、レバノンは8ヶ月で3人目の首相を失うこととなった。レバノン・ポンドは米ドルに対して最安値にまで急落し、トリポリなどでは散発的な抗議行動が見られ、また個人的な介入でアディブ氏の指名を保証したエマニュエル・マクロン仏大統領は、この状況はレバノンの政党による「集団的な裏切り」に等しいと述べた。

アディブ氏の辞任を受けて米ドルの為替レートは急騰し、3時間もしないうちに9000レバノン・ポンドを超えた。

アディブ氏は、1月末にサード・ハリリ氏の後を継いだハッサン・ディアブ氏の後任に指名されてから1ヶ月も経たない内に辞任することになった。

アディブ首相指名候補は、壊滅的なベイルート港の爆発事故、および汚職と管理ミスをめぐる社会不安の高まりを受けて、レバノンの破綻した政治体制を立て直すことを誓っていた。

しかし、イランが支援するヒズボラとその同盟国であるアマル運動という2つのシーア派政党が、財務相の主要ポストを要求するなどして、アディブ氏の新政府結成に向けた取り組みを繰り返し妨げていた。

2020年9月26日に辞任を表明した後、ジェスチャーをするムスタファ・アディブ氏。(ロイター/モハメド・アザキル)

「挫折」

アディブ氏はレバノン大統領への辞表の中で次のように述べている。「会派は約束を守らなかった。私が組閣のために受け入れた総意はもはや存在しない。国家統合への懸念により辞任する」

アウン大統領はバーブダ宮殿での短い会議でアディブ氏の辞任を受け入れ、来週月曜日の予定をすべてキャンセルした。公式声明では次のように述べている。「アウン大統領は憲法の要件に応じて適切な措置を取るだろう」

汚職を撲滅し、山のような負債に押しつぶされた経済を修復するために必要な改革を実施するというマクロン大統領のロードマップにとって、アディブ氏の離脱は痛手である。

アディブ氏は退任する際、レバノンはフランスの計画を放棄したり、マクロン大統領の善意を無駄にしたりしてはならないと述べた。

アディブ氏は「このイニシアチブの継続を強く主張する」と述べており、後継者が組閣という「困難な課題」を乗り越えることを望んだ。

「挫折はしたが、我々は諦めていない」とフランスの外交筋は語った。

マクロン大統領に近い情報筋は、マクロン大統領が「アディブ氏の辞任はレバノンの政党による『集団的な裏切り』に等しい」と述べたと語っている。

マクロン大統領は「我々は諦めず、フランスはレバノンを失望させない」と付け加えた。


二つの悪への非難

ヒズボラとアマル運動は、アディブ氏辞任の決定を受けて、「国を地獄に導いている」と広く非難された。

ハリリ元首相は「国内外で、そしてベイルートを襲った災害の後、レバノンの救援に駆けつけてくれたすべての兄弟や友人たちの前で、妨害者たちが姿を表している」と述べている。

「今、マクロン大統領のイニシアチブの崩壊に拍手を送る人々は、後悔して指を噛むことになるだろう」

ハリリ元首相は、「経済破綻を食い止め、必要な改革の道を歩む絶好の機会が無駄になった」と述べており、シーア派政党が「レバノンを外国の思惑の人質にしている」と非難した。

ハリリ元首相の「未来運動」のメンバーであるルーラ・アル=タバシュ議員は次のように述べている。「我々は国のために毒を飲んだが、彼らは自分たちのために国全体に毒を飲ませている」

国連レバノン特別調整官のヤン・クビス氏はツイートで「レバノンとその国民の命運がかかっているのに、無責任すぎる」と批判した。

レバノン政府関係者を前にして、彼はこう言った。「政治家の皆さん、フランスが作ったこのチャンスを本当に無駄にしてしまったのですか?いつになったら毎度の駆け引きをやめて、人々の叫びと要求に耳を傾け、レバノンの未来を優先させるのですか?」

2020年9月26日、ベイルートのバーブダにある大統領官邸で、ムスタファ・アディブ首相指名候補と会談するレバノンのミシェル・アウン大統領(左)。(ダラティ・ノーラ/AP経由レバノン政府)

「市民軍の論理」

UAEのアンワル・ガルガシュ外相はツイートでこう述べた。「レバノンの国家の論理、制度、能力は、市民軍の論理や利益とは一致しない。アラブの教訓が繰り返されている」

ナジブ・ミカティ元首相、フアド・シニオラ氏、タンマム・サラム氏は、フランスの努力は「回避され、超党派政府を作るというアディブの使命は崩壊した」と述べている。

元司法大臣のアシュラフ・リフィ少将は「アディブは武器と汚職のマフィアと1ヶ月間格闘し、頭を高く掲げて出て行き、レバノンの人々を欺かなかった」と述べている。

少将は「イランは今のところ政府を望んでいない」と付け加えた。

マルワン・シャルベル元内務大臣は次のように述べている。「貧困と飢餓に苦しむ人々への大きな裏切りだ」


ヒズボラの同盟

一方、ヒズボラの同盟はフランスのイニシアチブを妨害したことを否定し、ナビ・ベリ国会議長の事務局は「フランスのイニシアチブの内容」へのコミットメントを繰り返しており、他の人々は「確立されたすべての原則に反する方法でイニシアチブを妨害した」と非難した。

ヒズボラの同盟である自由愛国運動(FPM)は「フランスの救援活動へのコミットメント」を宣言し、「相互理解による」政府への要請を行った。

マラダ運動のリーダーであるスレイマン・フランギー氏は、マロナイト総主教ベチャラ・アル=ライを訪問した後、「フランスのイニシアチブは二度とないかもしれない絶好の機会であり、絶対に失ってはならない」と述べている。

彼は「どの党であろうと単独ではどうにもならない」とし、「調停的な首相」の合意を求めた。

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