
エルサレム:イスラエルの警備員らが17日、ヨルダン川西岸の検問所で、聴覚障害があり、止まれという命令が聞こえないパレスチナ人に発砲し、負傷させた、と警察が発表した。一方、パレスチナ人の襲撃者と思われる者が、エルサレムで起きた別の事件で射殺された。
警察の広報担当者ミッキー・ローゼンフェルド氏によると、60歳の男性が、エルサレムの北にあるカランディア交差点の、車両のみが通行を許可されている区域を歩いていた。ローゼンフェルド氏によると、警備員らは男性に立ち止まるよう求めたが、「挙動不審に彼らに近づき」続けたという。
その後、警備員らは男性の足に発砲し、中程度の負傷を負わせた。容疑者が「聞くことも、意思疎通もできなかった」ので返答しなかったことを警備員らは後になって知った、とローゼンフェルド氏は話した。
ローゼンフェルド氏は17日のもっと後に、この銃撃に関与した警備員の一人が、この事件の捜査の一環として拘束されたと述べた。
この事件は、イスラエル警察が、重度の自閉症者である32歳のパレスチナ人を射殺してから3カ月足らずで起きた。イスラエル国境警備隊はこの男性をエルサレム旧市街の隅に追い込み、明らかに襲撃者と間違え、ごみ箱の隣でうずくまっていた彼に発砲し、致命傷を負わせた。
この銃撃は批判を招き、警察は、発砲のガイドラインを修正し、障害者を考慮に入れるよう要求された。
17日のもっと後になり、エルサレム旧市街で起きたとさせる事件で、一人が刺されて軽傷を負った、と警察が発表した。ローゼンフェルド氏によると、容疑者は射殺されたという。
ここ数年、パレスチナ人の襲撃者は単独で、一連の刺傷や銃撃、車での体当たりを行っている。しかし、パレスチナ人とイスラエルの人権団体によると、イスラエル軍はしばしば武力を過度に行使し、時には逮捕できたかもしれない容疑者を殺害することもあるという。
パレスチナ人を祖先に持つ、イスラエルの議員であるHeba Yazbak氏は、17日に交差点で起きた事件で、イスラエル軍がむやみに銃を撃ちたがっていることが明らかになったと述べた。
「彼らは最初に発砲してから調べます」と同氏は述べた。「罪のない、聴覚障害を持つパレスチナ人に発砲したことは、イスラエルの治安部隊が容易に人命を奪うことができることを示す一例にすぎません」
AP