
ジュネーブ:来週ジュネーブで行われる、自分たちの憲法改正の任務を負うシリア人の会議は重要な一歩となり、より広範な政治プロセスへの扉を開く一助になる可能性がある、とゲイル・ペダーセン国連大使は21日、語った。
シリア憲法委員会のメンバーが集まるのは、コロナウイルス危機によって遅れていたため、昨年11月以来となる。
ペダーセン氏は現地で記者団に対し、「我々が9か月ぶりにここジュネーブで会合するという事実は、間違いなく、正しい方向への重要な一歩だ」と語った。
正式な憲法審査委員会は、バッシャール・アサド大統領政権、野党、市民社会の間で3等分された、150人の代表で構成されている。
しかし、来週の会議には、各グループから約3分の1 の15人のメンバーしか参加しない。
ペダーセン氏によると、COVID-19のパンデミックのため、全員の安全を確保するために厳しい対策が講じられたという。
代表らは全員、出発前に検査を受けており、週末にジュネーブに到着した際に再度検査を受けるという。
1週間にわたる会議は、適切な距離を保てるよう国連の大ホールで行われ、参加者は全員マスクを着用する、と同氏は補足した。
シリア憲法委員会は昨年9月に発足し、1ヵ月後に初めて召集された。
11月下旬に計画された2回目の協議は、議題に関する意見の相違が原因で、政府と野党の交渉担当者が参加できずに終了した。
ペダーセン氏は、代表らが来週にも「実質的な議論」に入れることを期待していると述べ、会議が「より広範な政治プロセスへの扉を開くもの」としての役割を果たす可能性があると強調した。
しかし、「憲法委員会は、それ自体では……当然シリアの紛争を解決することはできない」ことを認めた。
国連は、シリア内戦の政治的解決の模索を助けるため、9年以上にわたり努力している。シリア内戦では38万人以上が死亡し、1100万人以上のシリア人が故郷を追われた。
憲法の見直しは、2015年12月に採択された安全保障理事会決議第2254号で定められた、国連のシリア和平計画の中心的部分だ。
同決議では、国連の監視下での選挙も要求されている。
ペダーセン氏は21日、政治プロセスを前進させるためには、与野党間の信頼の醸成が急務だと強調した。
勾留者、拉致被害者、行方不明者の運命をあらゆる面で決めることの進展は、「信用構築の一助となりうる極めて重要な進展になる可能性がある」と同氏は主張した。
ロシア、イラン、トルコ、米国など、シリアの複雑な紛争に関与するさまざまな国の代表が、来週ジュネーブに来る予定だ。
ペダーセン氏は、傍観者として彼らと会うように努めると述べたが、シリアの憲法の見直しは、「外国が干渉せず」シリア人のみによって行われていることを強調した。
「来週ここで開かれるこの会議が奇跡を起こしたり、突破口を開いたりするとは誰も期待していない」と同氏は述べた。
「そういう問題ではない。これは始まりで、長くて面倒なプロセスだが、うまくいけば進展を見始めることができる」
AFP