
ベイルート:イランを後ろ盾とするレバノンのヒズボラ武装グループによると、8月22日(土)、国連が設定する暫定境界線「ブルーライン」を超えて飛行して来たイスラエルのドローンを追撃、没収したという。
イスラエル国防軍(IDF)は、「8月23日早朝、ブルーライン沿いでIDFが業務活動中にIDFのドローンがレバノン領域内で墜落した」と報道している。
また、声明の中で「情報漏洩の危険性はない」とも述べている。
ヒズボラによると、彼らの兵士たちがアイタ・アル・シャーブの町の近郊でドローンを撃墜したという。
イスラエルは、事実上レバノンと戦闘状態にあり、先月下旬にはヒズボラ兵たちが境界線を超えて侵入しようとするのを駆逐したと報道している。
イスラム教シーア派の武装グループヒズボラは、その一件への関与を一切否定しているが、その事件はイスラエルのミサイルがシリア政府軍とダマスカス南部のヒズボラ同盟軍の拠点を攻撃して5人が死亡した出来事に続いて起きたもの。
ヒズボラの兵士たちは、9年間に及ぶシリアの市民戦争でシリア政府軍に加勢しており、事件当時はヒズボラメンバーの一人も殺害されたため、その報復を誓っていた。
2019年9月にもやはりヒズボラはレバノン上空を飛行するイスラエルのドローンを撃墜させると誓っている。その1ヶ月前に、爆発物を搭載した2機のドローンがベイルート南部のヒズボラの拠点に向けて発射されたからだった。
レバノンとイスラエルは現在も事実上の戦闘状態にあり、国連軍UNIFIL が両国の国境地帯を警備している。
1978年に組織されたUNIFIL は、2006年にイスラエルと、イランが後援するレバノンのシーア派武装軍団ヒズボラとの間で、1ヶ月に渡る激烈な戦闘が行われたため、規模が増強されている。
総勢10,500人のUNIFILは、レバノン軍と提携しながら、休戦状態と国境沿い非武装地帯からのイスラエル軍撤退を監視している。
イスラエル側は、ヒズボラが国境地区で武器を備蓄して新たな戦争に備えていると非難している。