• エジプトは、このたびの暴力行為の沈静化を仲裁しようと試みている。

ガザ:  イスラエルが夜間にガザ地区のイスラム聖戦の標的を爆撃したことを受け、パレスチナの武装勢力は13日未明、ガザからイスラエルに向けてロケット弾を発射した。武力衝突は5日目に突入し、占領下のヨルダン川西岸地区にまで波及している。

パレスチナ保健省によると、衝突が発生したヨルダン川西岸北部のナブルス郊外にイスラエル軍が突入し、パレスチナ人2人が死亡。イスラエル軍によるコメントは出ていない。

また、先だって未明にガザで行われた作戦で、イスラム聖戦の司令部やロケット発射台を空爆したと同省は発表。公開されたモノクロの空撮映像には、爆撃を受けた場所で爆発が起こり、煙が立ち昇る様子が映し出されていた。

数時間後、ガザの過激派がロケット弾を発射し、サイレンが鳴り響き、国境地帯のイスラエル人は防空壕に逃げ込んだ。イスラエル国内で死傷者が出たという報告はない。

エジプトは、これまでに少なくとも33人のパレスチナ人と1人のイスラエル人が死亡した今回の武力衝突を停戦に持ち込むための仲介を試みている。1月以降、140人以上のパレスチナ人と少なくとも19人のイスラエル人および外国人が衝突によって死亡している。

停戦交渉に詳しいパレスチナ当局関係者は、停戦交渉を「複雑」で「厳しい」ものと表現したが、エジプト政府が取り組みを進めていることを認めた。

攻撃を計画しているとしてイスラエル軍がイスラム聖戦に対する作戦を開始した9日以降、イスラム聖戦のトップ司令官6人が殺害されている。

イスラム教の支配者ハマスに次ぐガザ最大の武装組織であるイスラム聖戦は、以来1000発以上のロケット弾を発射し、一部はイスラエル深部まで到達。11日には、テルアビブ郊外のアパートが爆破され、女性1人が死亡した。

2007年以降、イスラエルとエジプトによって封鎖され、貧困にあえぐ沿岸地域で人口密度の高いガザでは、少なくとも女性４人と子供６人が死亡。イスラエルはガザのロケット誤射によりパレスチナ人4名が死亡したと発表したが、イスラム聖戦はこれを否定した。

イスラム聖戦はイスラエルとの共存を拒否し、その破壊を説いている。イスラエルの宗教的民族主義政府の高官らは、1967年の中東戦争でイスラエルが獲得した領土にパレスチナ人が求めている国家を作ることは認めないとしている。

ロイター