
トリポリ:国連リビア支援ミッションは月曜日、1日前にトリポリで行われた抗議活動での暴力行為を受けて、国民合意政府(GNA)に対し「即時かつ徹底した調査」を行うよう求めた。
日曜日の夜、何百人もの人々が生活状況の悪化に抗議し、戦争で荒廃した国の汚職を糾弾するため首都に集まった。目撃者によると、その後警備員が抗議参加者を解散させるために、空に向かって発砲したという。
「国連リビア支援ミッションは、多数の抗議参加者が負傷した昨日のトリポリでのGNAを支持する警備員による過剰な武力行使に対し、即時かつ徹底的な調査を求めている」と国連ミッションは声明の中で述べたが、多くの人々がどのように負傷したのかに関しての説明はなかった。
SNS上では、軍服を着た男たちが首都のある通りで抗議参加者に銃を向けている姿を写した動画や写真が拡散されている。
抗議活動に参加した20代の男性、アイマン・アル・ワフィさんはAFP通信に対し、「治安部隊が空に向けて発砲し始めた」後、デモ隊はトリポリの殉教者広場を後にしたと語った。
アフリカ最大の石油埋蔵量を誇るリビアの慢性的な水、電力、ガソリン不足に憤慨した人々の多くは若者で、「汚職に反対!」などのスローガンを唱えながら市内中心部を行進した。
ファティ・バシャガ内相はこの暴力行為の責任者を、抗議活動を管理する「治安部隊に侵入したならず者」と呼んだ。
内務省は日曜日の夜に声明の中で、男たちは「治安部隊に属していない」とし、逮捕されるべきであると語った。
リビアは2011年にNATOの支援を受けた暴動により、長く独裁的な指導者であったムアンマル・カダフィ氏が殺害され、政権が倒されて以来、暴力的な混沌の中ほぼ10年を耐えてきた。
リビアは水不足と停電に悩まされており、灼熱の夏の暑さの中でもエアコンの電源が落ちてしまう。
また国内では新型コロナウイルスの感染が、ソーシャルディスタンスの対策が取られているにもかかわらず拡大し、さらに状況は悪化している。
国連ミッションは、「リビア国民が貧困に苦しみ続けていることと、絶えず存在する新たな紛争への恐れを考慮すると、リビアの指導者らが彼らの違いを一旦無視して、完全に包括的な政治対話を行う時期に来ている」と語った。
今回の抗議活動は、国内の敵対する政権が全ての敵対行為をやめ、全国的な選挙を実施するとそれぞれ発表してからわずか2日後に行われた。
AFP