
エルサレム:パレスチナ人のアラア・ボルカンは、自宅が違法に建築され、取り壊されなければならないとの判決を裁判所が下したことを受け、イスラエルが編入した東エルサレムにある自宅を取り壊すことを選択した。
35歳のボルカンには2つの選択肢が与えられた。ジャバル・ムカバー地区にある4LDKの自宅を自分で取り壊すか、市議会に代わりに取り壊してもらい、請求書を受け取るかだ。
イスラエル当局は定期的に、東エルサレムと占領下のヨルダン川西岸の自国の土地で、イスラエルの建築許可を持っていないパレスチナ人によって建てられた家を取り壊している。
国連の調査によると、そのような許可証を取得することは「事実上不可能」であり、その結果、慢性的な住宅不足になっていることが問題となっている。
「私は建築許可証を求めて市役所に申請しましたが、却下されました」とボルカンはAFPに語る。
「弁護士費用と地盤調査に約7万5000シェケル(約2万2000ドル)を費やしました」とボルカンは述べる。
東エルサレム市当局の顧問を務めるベン・アブラハミによると、すべての事例が法律に基づいて厳密に処理されているという。
「取り壊しはイスラエルの裁判所の命令で行われており、慎重な法的精査の対象となっています」とアブラハミは語った。
しかし、4児の父親であるボルカンは、手配したブルドーザーが目の前で自分の家を壊すのを見て動揺したという。
彼によると、貯金をすべてこの建物に投資し、80万シェケルの借金を背負い、4年間の時間を費やしたのだという。
無許可で建てられたことを理由に違法とした裁判所は、彼に6万シェケルの罰金を科した。
彼は現在、月の家賃2800シェケルの家に家族と一緒に住んでいる。
彼は瓦礫の上に立ち、「自らの手で自宅を取り壊すのがどれだけ辛いことでしょうか」語る。
市役所によると、今年に入ってから東エルサレムでは44戸の家が取り壊されている。
所有者の中には、市の解体作業員に数千シェケルを支払うのを避けるために、自分の手で家を取り壊すことを選択する人もいる。
1967年の第3次中東戦争以来、イスラエルの占領下にある東エルサレムには、約30万人のパレスチナ人と20万人のユダヤ人入植者が住んでいる。
パレスチナ人は、この許可制度の真の目的は、パレスチナ人の居住地を空にすることだと主張している。国連人道問題調整事務所(OCHA)は2019年4月の報告書で、東エルサレムでは「イスラエルが取り入れた制限的な計画体制が、パレスチナ人が建築許可を得ることを事実上不可能にしている 」と指摘している。
「東エルサレムのパレスチナ人の住宅の少なくとも3分の1は、イスラエル政府が発行した建築許可証を持っておらず、10万人以上の住民に立ち退きのリスクがあります」と付け加える。
OCHAによると、東エルサレムのわずか13%がパレスチナ人の建築用に指定されているが、その多くはすでに建築済みであり、そのうち35%は国際法に違反するイスラエルの入植地が占めている。
エルサレム経済的・社会的権利センターの所長、ジアド・ハンムリによると、自己解体は「屈辱的」であり、重い経済的コストに加えて、家族に「相当の心理的影響を与える」ものであるという。
しかし、多くのパレスチナ人は、市の解体費用や罰金を払えない場合に逮捕されることを恐れて、いまだに自分たちの財産を自分たちで解体することを選択している。
7月2日には、シャラルダ家も自宅であるアル=トゥールの2LDKのアパートを取り壊した。
6児の母親であるサラ・シャラルダは「夢が壊されてしまって、とてもつらい」と嘆く。
「家賃を払わずに済むように、引っ越そうとしていたのに」
OCHAによると、今年の最初の半年間に、東エルサレムで65人の子供たちが立ち退きを余儀なくされ、85人の人々が自分たちの家を解体することによって様々な影響を受けた。
パレスチナ人には3万から4万戸の住宅が不足しており、家賃は高く、建築許可証も高価であるとエルサレム住宅組合のマフムード・ザハイケは述べる。
「平均家賃は800ドルで、アパートの建築許可証は5万ドルかかることもあります」と彼は付け加えた。
「許可証を取得しているのは住民の20%だけで、その手続きには5年かかることもあります」
アブラハミによると、市は毎年約250件の建築許可をパレスチナ人に与えているという。
ボルカンは自分も幸運を掴めればと考えていたが、彼の希望は打ち砕かれた。
彼はイスラエルについて、「彼らは私たちに留まることを望んでいません」と述べた。
「しかし、私たちは移動するつもりはありません」
AFP