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米国とイランが緊張関係にあっても、イラクは主権を主張しなければならない、とマクロン氏が強調

ベイルートでの最後の夜、マクロン大統領はバグダッドに向かうと発表した。(AFP通信)
ベイルートでの最後の夜、マクロン大統領はバグダッドに向かうと発表した。(AFP通信)
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03 Sep 2020 06:09:01 GMT9
03 Sep 2020 06:09:01 GMT9
  • イラク人には、地域大国や過激派による支配以外の選択肢が必要だとフランス大統領は言う

バグダッド:エマニュエル・マクロン仏大統領は水曜日、バグダッドへの初訪問でイラクの指導者たちと会談し、戦争で傷ついたこの国が、米国とイランの緊張関係に巻き込まれているとしても、「主権」を主張しなければならないことを強調した。

危機に見舞われたレバノンを2日間訪問した後、そのままイラクを訪れたマクロン大統領は、ムスタファ・アル・カディミ首相が5月に就任してからイラクを訪問する最も著名な世界のリーダーだ。

今回の訪問は「国連とともに主権のプロセスを支援するための取り組みを開始する」ことを目的としていると、マクロン氏は述べていた。

マクロン氏は、「イスラム国」の工作員との戦いを支援し、外国の干渉に抵抗するために、イラクのバルハム・サリフ大統領へ支援を表明した。

マクロン氏は「イラクは数年間、戦争とテロで困難な時期を経てきただけでなく、複数の外国からの介入もあった」と述べ、「あなたには先導すべき変化がある。フランスはイラクが国際社会の支援を受けられるように、イラクに寄り添う」と続けた。

しかし、大きく誇示される「主権」の取り組みについての詳細はほとんどなかった。イラク当局者は、新たな資金援助や軍事援助は期待していないと述べた。

サリフ大統領は、2021年のマクロン大統領の長期訪問を楽しみにしていると述べ、カディミ首相は、フランスとヨーロッパが全体として、この不安定な地域の「安定の回復」を支援してくれることを期待していると述べた。

カディミ首相は「この地域を対立の舞台ではなく安定と中庸の地域にしたい」とし、「フランスとイラクは将来的にエネルギー協定を締結し、軍事協力を深めることになるだろう」と付け加えた。

マクロン氏は「非常に多くの苦しみを受けた」イラク人には、地域大国や過激派による支配以外の選択肢があって当然だと述べた。

マクロン氏は、一部の領域からの撤退があったとしても、「イスラム国」との戦いは終わっていないと言う。

大統領は続けて「フランスが国際連携の一員として全面的に力を注ぐイスラム国との戦いは続くだろう」と話した。

「第二の課題は、複数の点からの外国の干渉だ。いくつかは長年続いており、いくつかは最近始まったものだ」とマクロン氏は言う。さらに、経済、軍事、教育、文化の各分野で「(イラクの)国家を強固にする」プロジェクトをフランスが全面的に支持していると付け加え、それを「イラクの主権のためのプロジェクト」と表現したが、詳しくは説明しなかった。

「バグダッドに到着した。初めての訪問を嬉しく思う。困難な時期にイラクへの支援を示すためにバグダッドに来た」とマクロン氏は到着後にツイート。同氏は「経済的にも安全保障的にも、国内的にも地域的にも、あらゆる次元でイラクの主権を保証するための数々の課題がある」と述べた。

「われわれの集団的安全保障と地域の安定はこれにかかっている。われわれの兵士たちは、テロリストの決定的な敗北を確実にするために並んで戦っている」とマクロン氏はツイートで付け加えた。

ほとんどの外国人訪問者とは異なり、フランスの大統領はイラクのクルド人自治区の中心都市アルビルには立ち寄らないが、代わりにバグダッドでクルド人自治区のネチルバン・バルザニ大統領に会う。

マクロン氏はまた、昨年、「イスラム国」に参加したとしてイラクの裁判所から死刑判決を受けた11人のフランス人の運命についても話し合う可能性が高い。

あるイラク当局者によると、大統領が主権に焦点を当てたのはトルコへの間接的なメッセージでもあったという。トルコ政府は北部のクルド人反トルコ勢力にイラク国境を越えた攻撃を行っていた。

フランスとトルコの間では、リビアでの紛争や東地中海の沖合天然ガス利権をめぐる論争で緊張が高まっている。

フランス・レバノンの政治学教授カリム・ビタール氏は、地域の緊張がさらにエスカレートした場合、フランス政府が調停の役割を果たすことができると考えているため、フランスの指導者はレバノンとイラクに焦点を当てていると述べた。

「マクロン氏は間違いなく、中東地域にフランスの方を向かせようとしている」とビタールは指摘した。

フランスのフロランス・パルリ国防相はバグダッドで会談を行い、「イスラム国」の残党に対するイラクの戦いへの継続的な支援を約束した。

パルリ国防相はJumaa Inad国防相およびサリフ大統領と会談し、イラク北部のクルド人自治区を訪問することになっていた。パルリ国防相は、フランスはイラク治安部隊の訓練と武装をできるだけ早く再開したいと考えていると述べた。

また、砂漠地帯で依然活動している 「イスラム国」の工作員を搾り出すために、イラクの偵察システムを、陸と空の両方で強化することを国防相間で話し合ったという。

パルリ国防相は「イスラム国」との戦いは終わっていないと確信していると言い、「われわれはイラクの味方です」と続けた。

AFP通信/AP通信

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