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レバノンの大統領、前大臣らへの制裁に関して米国大使館との接触を求める

レバノンのミシェル・アウン大統領は臨時の外務大臣に対し、制裁の背景を知るために米国と接触するよう命じた。(File/AFP)
レバノンのミシェル・アウン大統領は臨時の外務大臣に対し、制裁の背景を知るために米国と接触するよう命じた。(File/AFP)
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10 Sep 2020 05:09:27 GMT9
10 Sep 2020 05:09:27 GMT9
  • アウン大統領はさらにワシントンのレバノン大使館との接触も求めた。

ベイルート:9日の大統領報道室の発表によると、レバノンのミシェル・アウン大統領は臨時の外務大臣に対し、前大臣ら2人への制裁について米国大使館と接触するよう命じた。

さらに、アウン大統領はイスラム教シーア派組織ヒズボラと同盟関係にあった政治家たちを制裁リストに載せる決定をした「背景を理解するために」ワシントンのレバノン大使館と接触するよう求めた。

米財務省は8日、アマル党幹部のアリ・ハッサン・カリル前財務大臣とキリスト教系マラダ運動幹部のユセフ・フェニアノス前公共事業運輸大臣に対して制裁を科すと発表した。

財務省は、彼らが「ヒズボラに物質的援助をして汚職に関わった」と述べた。この動きは、ヒズボラと同盟を組む組織に対する米政府の最も強力な警告だった。

現在、カリル氏はレバノン国民議会の議員で、ヒズボラとその同盟政党が議席の過半数を握っている。

シーア派のアマル党は、長年国民議会の議長を務めるナビーフ・ビッリー氏が率いる組織で、マラダ運動はヒズボラやシリアのバッシャール・アサド政権と同盟を組んでいる。

今回の制裁は、レバノンが未曽有の経済・金融危機、そして190人以上が死亡、6,500人以上が負傷し、数十億ドル規模の被害を受けたベイルート港の壊滅的な爆発事故の惨状に対応する中で下された。

さらに今回の制裁が科されたのは、約3,000トンの硝酸アンモニウムが爆発してから6日後の8月10日に辞任した内閣に代わって、首相に指名されたムスタファ・アディブ氏が新内閣を作るために動いているときだった。この惨事によって、広範にわたる汚職と不正管理を行いながら何十年も国を支配してきた支配層に対する怒りが爆発した。

レバノンのアナリストの中には、今回の制裁は、特に初めてキリスト教系の同盟組織を標的にすることによって、ヒズボラと同盟を結ぶ組織や国に対してイランが支援するグループとの関係を見直すようにというメッセージだとの見方もある。

レバノンの日刊紙『アンナハール(An-Nahar )』の政治記者で、イランが支援する組織に対して批判的なアリ・ハマデ氏は「フェニアノス氏とアリ・ハッサン・カリル氏は、二人ともヒズボラが主導する同盟の中で重要な人物だ」と述べた。

また、ハマデ氏によると、米国はフェニアノス氏に制裁を科すことにより、マラダ運動の代表で次期大統領候補でもあるフランジェ氏にメッセージを送っているという。ハマデ氏は、シーア派以外でヒズボラと同盟を結ぶ組織が「ヒズボラと関係を持つ影響について真剣に考える必要がある」と述べた。

アマル党は9日に声明を出し、幹部の一人に対する米国の制裁を非難して、米国はレバノンの主権を侵害しており、いかなる譲歩も引き出すことはできないと述べた。

(ロイター通信とAP通信と共同)

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