
アラブニュース
【ドバイ】アラブ首長国連邦(UAE)は14日、第3相臨床試験中の新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、医療関係者向けに緊急で認可承認した。
アブドゥッラフマン・アル=ウワイス(Abdulrahman Al-Owais)保健相は、「新型コロナウイルス感染症罹患リスクが最も高い、最前線で感染症対策に尽力いただいている方々」向けにワクチンは供与する予定、とした。「職務の性質上彼らがさらされる恐れのあるあらゆる危険から守るということだ」
保健相はさらに語っている。「今回の緊急のワクチン使用については、完全かつ十全に、認可手続きにともなう審査を早める各種法規制と両輪で進める」
今回のワクチンは、世界全体で臨床試験段階に達している26のワクチンのうちのひとつとなる。
開発元は中国の製薬会社「中国国際医薬衛生有限公司(Sinopharmin)」。UAEは、第3相臨床試験の対象として選ばれていた。試験はこの7月にアブダビに本社を置くG42ヘルスケア社およびアブダビ政府と連携を取りながら始められていた。
第3相試験の最終段階の結果、「ワクチンは安全かつ効率的だとわかった。またウイルスへの抗体形成により強力な反応があることもわかった」とウワイス保健相はしている。
「数百万人の生命を守り、感染者に医療を施すという最終目的をにらみこうした措置を取っているところだ」
今回の治験には125か国の約3万1,000人のボランティアが参加している、と国立コロナウイルス臨床治療委員会のトップ、ナワール・アル=カービー(Nawal Al-Kaabi)博士は語っている。
博士によると、想定どおりどのワクチンもこれまでのところ軽微な副作用しか報告されていないという。重篤な副作用に見舞われた者は皆無としている。
今回の発表は、おりしもUAE国内で新たにコロナ患者が急増するなかおこなわれた。12日には1,007人の患者が報告されており、コロナ禍発生以来最大の数字となる。
14日には新規の感染者が777人出ている。
米疾病対策センターによれば、不活化ウイルスないしウイルスタンパク質を使って製造される不活化ワクチンについてはよく知られており、インフルエンザやはしかなどの疾病用にも使われてきているとする。
8月には、2か月に満たない臨床試験をへて世界初のコロナワクチンの認可がロシアの規制当局より下されている。
(記事協力・ロイター)