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今週、ドバイで初めてGITEX GLOBALが開催される

世界的なAIイベントが、ドバイの世界貿易センターにて、10月16日から20日まで行われる。(提供)
世界的なAIイベントが、ドバイの世界貿易センターにて、10月16日から20日まで行われる。(提供)
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16 Oct 2023 04:10:21 GMT9
16 Oct 2023 04:10:21 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ:アラブ首長国連邦では、10月16日から20日まで、世界最大のテックおよびスタートアップ展示会であるGITEX GLOBALが初めて開催される。今週、ドバイを起点として、世界を巻き込むAI全盛の新時代が幕を開ける形だ。

この展示会は、世界最高のテック系展示会とされており、今回で43回目の開催となる。世界貿易センターの2ヶ所の巨大な会場で開催され、180ヶ国から6,000社もの出展企業と18万人ものテック系エグゼクティブを迎える予定だ。

アラブ首長国連邦のデジタル経済は、世界屈指のアジャイルさ、多様さ、そしてテクノロジー導入度を誇る。そのドバイで、1,800社を超えるスタートアップが、会場の至る所で高まりつつあるチャンスを掴もうと試みることになる。

GITEX GLOBALとExpand North Starでは、21セッションのカンファレンスが開催され、80を超える国々から1,500人を超える専門家を登壇者として迎える。そこでは、登壇者が2023年の喫緊のテック系の課題や論争を紹介して解説する予定で、900時間にもわたって驚嘆の内容に没入的に触れられることになる。

この展示会には日本貿易振興機構(JETRO)も参加し、18社の日本企業がホール9に出展を行うことになっている。出展する日本企業の専門分野は、人工知能(AI)、機械学習、教育、電気通信、インフラ、ゲーミング、VR/AR、そしてWeb3などだ。

JETROは、2016年から、GITEX North Starに日本パビリオンを設置してきた。

日本貿易振興機構は今年、世界貿易センターで行われるGITEX GLOBALにて、ホール9に出展する。(提供)

アラブ首長国連邦のオマール・アル・オラマ人工知能担当国務大臣兼ドバイデジタル経済評議会会長閣下は、GITEX GLOBALとExpand North Star 2023の公式記者会見に臨まれた。

アル・オラマ大臣閣下は、「私たちはAI関連の政策立案者と協力して、あらゆる場所のあらゆる人々にとって確実により良い世界を作っていこうとしています」と語られた。「GITEX GLOBALは、最高で最も鋭い頭脳の持ち主が集い、テクノロジーの未来を形作っていく場です。ドバイはグローバルなマーケットであり、私たちはGITEX GLOBALの場で世界を変えていくAIの力など、新たなテクノロジーを紹介することで、不可能を可能にし、あらゆる人々にインスピレーションを与え、より良い未来を作っていこうとしているのです」

「GITEX GLOBALへの参加数は大幅に増えています。この増加はまさに、アラブ首長国連邦がテクノロジー分野で世界をリードする立場であることを、まさに証明するものです」と、アル・オラマ大臣閣下は付け加えられた。

GITEX GLOBAL 2023では、250を超える政府組織がデジタル能力向上に向けた大胆なコミットメントを示し、そのコミットメントを通して未来的なデジタルシティーのビジョンや戦略的コラボレーションを推進することになる。官民連携の姿勢がこれまでになく積極的な形で示される形だ。

今年の展示会では、AIのソリューションやコンセプト分野で年間最大の展示イベントである「AI Everything」が再度開催され、またGlobal DevSlamというコーダーや開発者の親睦会も予定されている。こうしたイベントを通して、AIについてこれまでになく深い考察が行われることになる。

「近年、GITEX GLOBALにこれほどまでに熱気と期待が集まったことはありません」と、ドバイの世界貿易センターでイベントマネジメント担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるトリクシー・ローミルマンド氏はいう。「特に、生成AIの登場に興奮が高まる中、同時に生成AIに対する恐怖や懸念の声も上がっているというタイミングのため、今年のGITEXはAI一色となります」

「今年最大の『AI in Everything』展示を企画し、最強のAI設計者たちを様々な企業から招待しています。GITEX GLOBALは、単に規模が大きくなっただけではありません。AI倫理やAIの商用利用用途の探索という大きな問題について、これまでになく本格的な議論の場を設けることにしました」

アラブ首長国連邦の組織も、凄まじいAI革新競争に参戦している。それによって、大胆なデジタルトランスフォーメーションアジェンダを中心とする政府の経済多面化戦略が加速している。

アラブ首長国連邦の先進技術研究評議会(ATRC)の応用研究部門であるテクノロジー革新研究所(TII)が先月公開したFalcon 180Bは、世界で最もパワフルなオープンソースのAIモデルであり、世界中のテクノロジー専門家から賞賛を集めている。

また、ASPIREでは、GITEX GLOBAL 2023にて初めて、時速300kmを超える速度で走れる自動運転レーシングカーをお披露目する準備を進めている。こうして、未来のモビリティー分野にも参入を図る形だ。

ダラーラ・スーパーフォーミュラは、ASPIREの主力レーシングカーとして、アブダビの自動運転レーシングリーグ(A2RL)に参戦する。デビューは2024年4月で、レーシングカー、ドローン、および砂漠用車などが競う一連の有名な自動運転レースがデビューの舞台となる。

ASPIREでエグゼクティブディレクターを務めるトム・マッカーシー博士によると、A2RLでは、AIが人類にもたらすエキサイティングなインパクトと、AIを自律制御に応用した際の驚くべきポテンシャルが感じられるレースが展開されることになるとのことだ。

「アブダビの自動運転レーシングリーグ(A2RL)は、画期的なイニシアチブであり、業界の専門家や大学の研究者が関心を寄せています」と、マッカーシー博士はいう。「当社では、GITEX GLOBALにて自動運転レーシングカーのモデルをお披露目できることになり、大変興奮しています。ベースとなっているのは、有名なイタリアの自動車メーカーであるダラーラのスーパーフォーミュラ用モデルです」

「そのベースに自動運転スタックを加えることで、車体が周囲を認識して、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで自動運転によるレースを披露できることになります」と、マッカーシー博士は付け加えた。

A2RLの開催は、アラブ首長国連邦にとっては、大きなマイルストーンとなる。エクストリームスポーツを舞台に、モビリティー分野の現状を大きく変える技術革新を促進できることになるからだ。

また、GITEXには、AIおよびクラウド技術を擁護するG42が再び参加し、「想像の世界を現実に」というテーマのもとで、AIについてのダイナミックな議論に知見を提供することになる。

「『想像の世界を現実に』というのは、単なるスローガンではありません。実際に当社では、AIの理論的な概念を具体的なソリューションに昇華させる取り組みを積極的に行ってきました」と、G42傘下のバヤナトでマネージングディレクターを務めるハサン・アル・ホサニ氏はいう。

「ご来場の方には、データセンター、スーパーコンピューターおよび政府サービス、それに医療、BFSI、およびスマートモビリティーまで、当社の複数の領域にまたがる最先端のイノベーションをご覧いただけます」と、ホサニ氏は付け加える。「私も個人的に、ご来場の方をお迎えし、バヤナトの地理空間AI領域での最新の成果をお見せできるということで、とても興奮しています」

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