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日本の「ムーンスナイパー」、高精度着陸の実証へ向け打ち上げ間近 国家の宇宙開発への野心と共に

この1億ドルのミッションは、地球から月への燃料効率の良い軌道を航行した後、2月までに月に到達する予定である。(AFP)
この1億ドルのミッションは、地球から月への燃料効率の良い軌道を航行した後、2月までに月に到達する予定である。(AFP)
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06 Sep 2023 07:09:29 GMT9
06 Sep 2023 07:09:29 GMT9

東京:日本は9月7日(木曜日)、同国の宇宙開発目標を推進するために設計された精密着陸技術をテストする低コストの「ムーンスナイパー」を打ち上げる予定だ。月面に宇宙船を着陸させた5番目の国になることを目指す。

打ち上げは、インドが月の南極に着陸した最初の国となった数週間後に行われることになり、国家の威信、そして民間部門を中心とした新たな宇宙開発競争が浮かび上がる。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の打ち上げを監督し、着陸船を搭載するH-IIAロケットを製造する三菱重工によると、JAXAのロケットは9月7日、日本南部の種子島宇宙センターで打ち上げ予定だ。

JAXAによって「ムーンスナイパー」と呼ばれる小型月着陸実証機(SLIM/Smart Lander for Investigating Moon)探査機は、目視可能な暗いスポットのひとつである月面の盆地、「神酒の海(Mare Nectaris)」近くに着陸する予定。

このミッションは、高度な視覚ナビゲーションシステムを使って、指定された着陸地点から100メートル以内に軽量で低コストの探査機を月面に着陸させる日本の能力を実証することを目的としている。

着陸は、「息もできない痺れる様な、魔の20分」になる可能性があると、SLIMミッションのサブプロジェクトマネージャーである櫛木賢一氏はJAXAのウェブサイト上のブログ投稿で述べており、着陸は「やり直すことができない一発勝負」のようなものだと付け加えている。

プロジェクトからは、国産の宇宙産業を築こうとする日本の努力もうかがえる。着陸船は三菱電機によって組み立てられ、同社の着陸レーダー、コンピューター、トランスポンダ(無線中継機)が使用された。また、シャープが太陽電池を、明星電気が航法カメラを供給した。

 

高精度着陸

この1億ドルのミッションは、地球から月への燃料効率の良い軌道を航行した後、2月までに月に到達する予定である。

インドは先月、7500万ドルを投じたミッションで、月の南極付近に探査機「チャンドラヤーン3号」を着陸させた。これによりインドは、アメリカ、ロシア、中国に次いで月に宇宙船を着陸させた4番目の国となった。

「正確な着陸技術は、将来の有人宇宙探査ミッションに能力と自信を与える。このような技術は、再使用可能なロケットミッションに拡張することができるため、将来のミッションをより費用対効果の高いものにすることができる」とデロイト・インドのパートナー、スレーラム・アナンタサヤナム氏は語った。

日本による月面着陸の試みは、過去に2度失敗している。JAXAはNASAのロケットに搭載された着陸船との交信を失い、11月の着陸計画を中止した。日本の新興企業ispace(アイスペース)が製作した着陸船は4月、月面降下の際に墜落した。

最近では、ロシアの約半世紀ぶりの月探査機ルナ25号が8月、インドのミッションより数日早くに月の南極に着陸しようとして墜落している。

日本は、月と火星へのミッションの中継基地となる月周回宇宙ステーションでアメリカと協力している。その見返りとして、ワシントンは将来の有人月探査ミッション「アルテミス計画」のクルーの座席を日本に約束している。

ロイター

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