• UNRWAは現在、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、ヨルダン、シリア、レバノンに住む580万人の難民とその子孫に教育、保健医療、食料、その他のサービスを提供している。

ベイルート：パレスチナ難民のための国連機関、またはUNRWAは金融危機に瀕しており、500万人以上の貧困層の人々に向けたサービスの一部を停止することを余儀なくされる可能性があると、機関のトップは水曜日に述べた。

フィリップ・ラザリーニ氏はまた、ベイルートのAP通信とのインタビューで、コロナウイルスの蔓延、レバノンの経済破綻、UNRWAの予算の大幅な不足が、パレスチナ難民の間で絶望を深めていると警告した。中には、難民ボートで地中海沿岸国から逃げようとしている者もいる。

UNRWAは、1948年のイスラエル建国をめぐる戦争中に逃亡したり、家を追われたりした70万人のパレスチナ人を支援するために設立された。現在、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、ヨルダン、シリア、レバノンに住む580万人の難民とその子孫に教育、保健医療、食料、その他のサービスを提供している。

UNRWAの財政危機は、2018年に最大の支援国である米国からの資金提供をすべて失ったことに端を発している。米国は2017年に3億6000万ドルをUNRWAに提供したが、2018年は6000万ドルにとどまり、昨年は資金提供を行わなかった。今年もこれまでのところ、資金提供は行われていない。

ドナルド・トランプ米大統領は2018年1月、米国の援助金を受け取るためには、パレスチナ人はイスラエルとの和平交渉に復帰しなければならないと発言した。その後、トランプ大統領は著しくイスラエルに有利な紛争解決のためのプランを打ち出したが、パレスチナ人には却下されている。

「このような絶望のレベルがある状況で活動をやめるということは、パレスチナ難民が国際社会から見捨てられているという感情を煽るだけだと私は思います」と、3月に就任したラザリーニ氏は述べている。

ラザリーニ氏は、UNRWAを支援することは、「異常な予測不可能性と不安定性の時代に、この地域の安定のための最良の投資の一つである」と述べた。

「一触即発の地域で状況を悪化させるわけにはいかない」と、彼は述べている。

スイスの人道専門家は、UNRWAが学校、保健所、社会福祉など5つの分野のすべてのサービスを維持しようとすると、現在から2020年末までの間に約2億ドル不足することが予想されると述べている。

ラザリーニ氏は、新型コロナウイルスは「私たちの支援母体にも大きな経済的、財政的影響を与えている」と述べた。彼は、パレスチナ人がパンデミックと様々なロックダウンのためにさらに多くの援助を必要としている時に、ほとんどの支援国が不況に陥っていると言っている。

UNRWAはパレスチナ難民の中で確認された症例を6,876人登録しているが、その多くはヨルダン川西岸地区で確認されており、そこでは約5,000人の症例が検出されている。数万人のパレスチナ人を受け入れているレバノンでは、難民キャンプにて430人の症例が登録されている。

「UNRWAがより多くのサービスを提供することを期待する人々は、UNRWAがすでに財政危機に陥っているこの時に、ますます絶望を深めています」とラザリーニ氏は述べています。「これでは、必要な資源を動員するのがはるかに困難になります」

ラザリーニ氏は水曜、レバノンのパレスチナ難民の状況について、ミシェル・オウン大統領、引退間近のハッサン・ディアブ首相と協議した。オウン大統領は、シリアの内戦から近年レバノンに逃れてきたパレスチナ人の帰還を求めた。

国連職員は、レバノン訪問中に難民キャンプにいるパレスチナ人と会い、数十年で最悪の経済・金融危機の中での彼らの苦難について話したと述べた。レバノンの通貨は価値の80％を失い、レバノン人とパレスチナ人の生活資金を一掃した。

「パレスチナの収容所では、今、本当に深い絶望感があります」と彼は述べ、食料の購入を控えることを余儀なくされている家族もいると付け加えた。

「今回のような状況での絶望やどうしようもなさは、確実に暴力や不安定化につながると思いますと彼は述べている。

AP