アラブニュース

• EUは、トルコがEU加盟国に迷惑を掛けて調査を続けても制裁を課すことを避ける一方で、不正投票の疑いでベラルーシに制裁措置を課すことで「ダブルスタンダード」を設けるべきではない、とキプロス当局者らは主張。

ジッダ：キプロスとギリシャが排他的経済の権利を主張している地中海東部海域でのエネルギー埋蔵量の調査をトルコ政府が中止しなければ、 トルコに対し、より厳しい制裁を課すことを検討するようEUに求めるキプロスの呼び掛けをフランスは18日、支持した。

フランスのクレマン・ボーヌ欧州問題担当大臣は、トルコが「EU加盟国の安全と主権を脅かし」続けるなら、制裁措置を、EU加盟27カ国が採用を検討する選択肢の一つにすべきだと述べた。

「しかし、状況が前向きに進展しなかった場合には、EUは、制裁措置の一つを含め、あらゆる手段を自由に使える準備もすべきだと私たちは考えます」とボーヌ氏は、ニコシアでのキプロスのニコス・フリストドゥリディス外相との会談後に語った。

トルコがギリシャ、キプロスとの緊張緩和に際し、「誠実な協力と具体的な進展」を見せない限り、トルコへの制裁を求める決議を欧州議会は採択した。

元在トルコEU大使で現在はカーネギー・ヨーロッパのアナリストであるマーク・ピエリーニ氏は、この決議は、EU全域から民主的に選出された議会の意見を反映していると述べた。同氏はアラブニュースに対し、「これは 「国X対国Y」ではなく、欧州議会の総意です」と話した。

EU首脳会議が数日後に開かれる予定で、調査するのは我々だけだとギリシャとキプロスが主張する海域でのトルコの探査への対応を協議する。

トルコは、ギリシャが自国の大陸棚上にあると主張する地中海東部の一部に、軍艦に護衛された調査船を派遣したことで、NATO加盟国であるギリシャとの海軍のにらみ合いを引き起こした。ギリシャはこれに対し、自国の軍艦と海軍の巡視船を派遣した。

ギリシャとトルコの軍当局者らもNATO本部で協議しており、海上でのにらみ合いがあからさまな衝突に発展しないようにする方法を模索している。

ギリシャのニコス・デンディアス外相は、トルコの調査船と護衛の軍艦の撤退は前向きな一歩だが、トルコが誠実であることをギリシャは確かめる必要があると述べた。

制裁措置のリストは来週のEU首脳会議で首脳らに提示される予定で、それらが実行されるかどうかはトルコの行動次第だ、と同氏は述べた。「私は、その局面に達する必要がなくなることを望んでいる」とデンディアス氏は述べた。

キプロス当局者らは次のように主張している。EUは、トルコがEU加盟国に迷惑を掛けて調査を続けても制裁を課すことを避ける一方で、不正投票および警察の蛮行の疑いでベラルーシに制裁を科すことで「ダブルスタンダード」を設けるべきではない。

一方、外交官らがAFP通信に語ったところによると、EUは、国連のリビアへの武器禁輸に違反したとして非難されているトルコ、ヨルダン、カザフスタンの企業3社に対する制裁措置を21日に発表する予定だ。