
ナジア・フサリ
ベイルート:24日にレバノン北部の海岸に漂着した5人の遺体のDNA検査が行われた。
5人の遺体が、難民を乗せた船の惨事の犠牲者の一部なのか、8月4日のベイルート港爆発事故の後も行方不明となっている9人の一部なのかが、検査により明らかになるとみられていた。
レバノンからキプロスに逃れる難民を定員超過状態で乗せ、密入国を図った船に乗っていた2人の子供が、漂着した遺体に含まれていた。
この船は、定員30人のところを50人の乗客を乗せ、9月7日にブルジュ・ビーチをキプロスに向け出航した。乗客のほとんどはトリポリの貧困地域に住むレバノン人であり、ほかにシリア人の2家族が乗っていた。
出航から2時間後、密入国業者は船を停止させ、乗客から食料や飲み物、携帯電話などの持ち物を奪い、乗客を見捨て逃走した。船は地中海で5日間漂流した後、多数の遺体がレバノンの海岸で発見されている。
報道によると、生後20か月の少年は母親の腕の中で亡くなり、その後父親が遺体を海に沈めたという。他の乗客は海に泳ぎ出し脱出を試みたが行方不明となり、国連レバノン暫定駐留軍がそのうちの1人の若者を救出したほか、船内に留まった乗客を救助した。
レバノンのアウン大統領が議長を務める安全保障会議は24日、レバノンからの難民を船で脱出させる密入国業者が増えている問題について話し合った。
アウン氏は、「この種の違法な渡航に関与する密入国業者の取り締まりを強化するとともに、適切な措置を講じる」よう求めた。